投稿者「海部 健三」のアーカイブ

日刊 世界のウナギニュース(2016年3月24日)

★引き続き、米メイン州でシラスウナギ漁に期待がかかっていると、複数の米国メディアが伝えている。
“Weather gives fishermen hope for ultra-pricey baby eel catch” (Daily Local News, US)
Maine Fishermen: Warm Weather Could Mean More Productive Elver Season” (MPBN News, US)
“Despite chill, elver fishermen eager for start of season” (BDN Maine, US)
“Elver season opens with new laws in place” (The Ellsworth American, US)

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

日刊 世界のウナギニュース(2016年3月23日)

★アメリカのメリーランド州にあるBloedeダムの除去プロジェクトが始まる。
“Bids set to go out for removal of Bloede Dam at Patapsco Valley …”
(Baltimore sun, US)

本プロジェクトの概要(メリーランド州天然資源局によるプロジェクトの紹介
-Bloedeダムは、1907年にPatapsco川州立公園内に建設されたが、(人の)死亡事故や生態系への悪影響がのため、メリーランド州の天然資源局(Department of Natural Resources、山岡訳)で改善策として除去に踏み切った。-Patapsco川には、かつてはアメリカウナギ、シャッドなどが生息していたがダム建設以降見られなくなった。1990年に魚道を設置したが特にウナギに対する効果が見られなかった。

-作業予定
2015年秋~下水道管の移転、ダム周辺の木の伐採
2016年冬~ダム除去(歴史として一部保存)
2017年春~植樹

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月22日)

★2016年度までにシラスウナギを完全養殖により1万匹生産し、20年度に商業化するという政府の目標達成がの見通しが立っていない。この事業は水産総合研究センターに委託されているものだが、生残率が低く、孵化からシラスウナギになるまでに1年以上かかっているのが現状だ。同センターは生残率の低さの原因を調査し、研究を仕切り直したいとしている。
“ウナギ稚魚の量産化難航=「完全養殖」仕切り直し” (時事ドットコム,日本)

★19日、有明海のウナギをテーマにしたシンポジウム「ウナギを育む日本の干潟」が佐賀県鹿島市の干潟展望館で開かれた。鹿児島大、広島大の専門家3人と市民団体による講演。
“19日、鹿島市でウナギテーマにシンポ”(佐賀新聞, 日本)

★先週末に引き続き、アメリカが明日3/22から始まるシラスウナギ漁に期待を寄せている。
“Fishermen hope for ultra-pricey baby eel catch”(The Denver Post Business,US)
“Weather gives fishermen hope for ultra-pricey baby eel catch”(South Bend Tribune, New Jersey Herald, US)
Expectations high for 2016 elver catch, prices(BDN Maine, US)

★ニュージーランド北島の南にあるOnoke湖でWairapapa Maoriの伝統漁法イベントが行われた。
近代農業が始まる前は、ウナギ漁はWairapapa Maoriにおける主要な収入源で、2年間で20tの取引があった。Wairarapa湖から産卵のために下るウナギが、河口部に位置するOnoke湖(注:砂州などにより半ば閉じられた潟湖)に集まるのを利用し、堀を作ってウナギを採っていた。しかし入植後は農業用水が常に排出されるようになり漁ができなくなった。このイベントは、ウナギの産卵時期と、河口の幅が最も狭まる時期が重なった時に行われる。
“Running of the eels’ revives south Wairarapa food-gathering tradition”(stuff.co.nz, NZ)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月18日)

★鹿児島県が、資源回復が見られなかったため、産卵回遊に向かうニホンウナギの禁漁期間の1年延長を決定した。当初は平成25~27年の予定だった。
(注:ニホンウナギは秋から冬にかけて産卵回遊を開始するため、この時期を禁漁とすることで産卵回遊へ向かう個体を保護することができる)
”やはり今年も高嶺の花か?産卵期のウナギ禁漁延長…鹿児島県、資源回復進まず”(産経WEST,日本)
“産卵期のウナギ禁漁延長 鹿児島”(産経ニュース,日本)

★台湾では、3月から10月までをシラスウナギの禁漁期間とした。違反者には30,000台湾元以上の罰金が科される。
“鰻魚資源永續利用 3至10月禁止捕撈” (中央通訊社, TW)

★アメリカのメイン州では、今春は気候が温暖である事を受け、シラスウナギが多く採れるのではと期待されている。2015年は、割当量約10,000ポンド(約4,530kg)に対し、5,300ポンド(約2,400kg)しか採捕されておらず、漁業者達は、寒春だと川が3月下旬まで凍っていてウナギが遡上してこないと不満をもらしていた。メイン州は米国内唯一のシラスウナギの産地。
“Weather gives fishermen hope for ultra-pricey baby eel catch” (The Seattle Times,US)

★ニュージーランド北島のファンガレーのHikurangi沼では毎秋、大量のウナギが池用のポンプに巻き込まれて死亡している。ファンガレー地区自治体とニュージーランド国立大気水圏研究所は、ウナギがポンプのブレードを避けるための電気バリアに関する研究を進めてきた。同自治体のエンジニアTwose氏は、電気バリアが機能していればウナギが死ぬことはないが、ポンプの中央にある大きなパイプが降河を邪魔している。ポンプが稼働していない時に実験をする予定だ、と話す。
“Eels sliced to pieces by swamp pumps” (RNA, NZ)

★14日、ヘルシンキ委員会(HELCOM:Baltic Marine Environment Protection 
Commission – Helsinki Commission)のミーティングで、デンマークが、バルト海の絶滅危惧種の保護を遅らせていると非難された。「何年間も専門家を送っていない、ミーティングに去年まで参加していない。全てを遅らせている唯一の国だ」と、フィンランド政府組織OceanaのPaulomäki氏は語る。また同組織からは、「ヨーロッパウナギ、ネズミイルカ等が無視されている。」との声も上がった。元の協定では、各締約国が2021年までに海洋環境と絶滅危惧種の状態を改善するための行動計画を作成することになっているが、あくまで「考慮」することにとどめられている。
“Denmark ‘ruins’ deal that protects endangered marine species” (Copenhagen Post, DK)
“Miljøfolk: Danmark hindrer beskyttelse af Østersø-arter” (Folketidende, DK)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月17日)

★アメリカのデラウェア州が、15日、大西洋沿岸州海洋漁業委員会のアメリカウナギの管理計画に従うことを決めた。このことにより、委員会は金曜日より発効予定だったウナギ漁の一時停止措置を取り下げた。
“Feds withdraw eel fishing moratorium for Delaware” (WMDT, US)
州からの通告

★ヨーロッパ最大のウナギの産地ネイ湖(北アイルランド)のマーケティングが盛ん。アイルランドの高級レストランなどで提供されているほか、イギリスやオランダ、ドイツ等に輸出されている。ネイ湖のウナギは、北アイルランドがEU保護名として認めている製品の一つで年間400t産出されている。
“Lough Neagh’s famous eels making a splash in Dublin and Thailand” (Mid-Ulster Mail, UK)

★1958年にアメリカのイリノイ州で発見された化石”Tully monster (Tullimonstrum gregarium) “は長年、昆虫、軟体動物、脊椎動物のどの仲間に分類されるか議論されていた。Yale大学のMcCoy氏が、現在のヤツメウナ
ギの近縁種である事を突き止めた。
“Fishy origin of bizarre fossil ‘monster’ (BBC, UK)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月16日)

★イギリスで、魚類の移動改善のための新法が発布される。この法律では、移動の妨げとなっている障害物を明らかにすることが狙い。環境局では2009年から、イギリス内のサケが遡上する主な川で82の魚道を設置、堰などの障害物の撤去や変更を行っている。
“Law change proposed to reverse declines of valuable fish stocks” (The Yorkshire Post, UK)

 

★ニュージーランド北島のTaranaki川でウナギが8尾死んでいるのが見つかった。夏の暑さによるに水温上昇と川の水量の低下が原因とされているが、未認可の排水も一因として考えられている。Taranaki広域自治体のMcLay氏は、ウナギは高温に耐性があるが、水温上昇に伴うバクテリアの増加が既に病気だったウナギに感染したのではないか、また、川岸に植物を植えれば夏の間、水温が下がるかもしれないと述べた。
“Eels dying in warm watered and polluted Taranaki rivers”(TARANAKI DAILY NEWS、NZ)

★TBSの政治部記者が赤坂(東京都)のスーパーで13日、鰻の蒲焼などを万引きした。
“万引き疑いのTBS記者を釈放 犯行の理由話さず” (テレ朝news, 日本)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月14日)

★フランスで、河川の水質や、ウナギを含む、生息している魚類の情報などが分るアプリを開発。Android,iOSどちらにも対応。
“Qualité des rivières : l’application qui dévoile les poissons de vos cours d’eau”(La Depeche. fr, FR)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月11日)

★ノバスコシアの消防士が8日、野火を消火しようとした際水が出なかったため、給水栓を確認したところ、ナマズが詰まっていた。過去に、ウナギやトカゲも詰まっていたことがあるという。
“Firefighters Find Fish In Nova Scotia Fire Hydrant”(The Huffington 
Post, CA)
“Fish not the first to be found in equipment, say fire officials” (Farm 
Focus of Atlantic Canada, CA)

★カナダのNoerthumberland海峡の窒素の95%がプリンスエドワード島から流入していることが、研究者と学生の調査チームの4年間にわたる研究によって判明した。さらに、そのうち91%が同島の農業由来、うち57%がジャガイモ業由来(全体の49%)であった。プリンスエドワード島ポテト協会のDonald氏は、土や排水の管理努力をしており、2010年から窒素濃度は下がっていると主張する。また、同協会では「4R施肥推進運動」(適肥、適地、適量、適期に対応した肥料の施用を促す運動)も実施しており、特に環境改善になるような科学的な情報に対して興味を持っている、と話した。窒素濃度の上昇は無酸素状態の原因となり、ムラサキイガイ、カキ、ウナギなどに影響を及ぼす。
 プリンスエドワード島大学内のカナダ河川研究所(Canadian Rivers 
Institute:山岡訳)Van den Heuvel氏は、「窒素濃度の規制を厳しくすべきだ。農地の削減や、より良い栄養管理でより良い収穫量を得る方法などできる事は沢山ある」と語る。
 同研究チームは、堆積物についても調査を行ったが、どれくらいの量がどこから出ているのかについてはまだわかっていないという。同水域の河川では赤変が問題となっている。
“Most nitrates in Northumberland Strait are coming from P.E.I., 
researchers say”(Journal Pioneer, CA)
“Research finds most nitrates in Northumberland Strait come from P.E.I.”(The Guardian、CA)
”Nitrates threaten Strait?””(The Guardian、CA)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月10日)

★アメリカでシラスウナギの漁獲規制を緩和
アメリカのメイン州のシラスウナギ漁は大西洋沿岸州海洋漁業委員会により、9,
688ポンド(約4400kg)が割当られているが、実際の採捕数は5,259ポンド(約2390kg)にとどまっている。
 しかし、土曜日、同州のシラスウナギ採捕組合(MEFA: Maine Elver 
Fishermen Association・山岡訳) の年次集会があり、海洋資源委員課(Department of Marine Resources Commissioner・山岡訳)から採捕に関する法律の改正の知らせがあった。同課のKeliher氏は、改正が割当量を満たす良い機会であり、合衆国とメーン州の4部族政府との衝突を減らすのではないかと期待する。
 改正内容は、
(1) 採捕期間の延長(5/31〜7/7から3/22〜7/7に延長)
(2) 毎日採捕が可能になった(改正前は、保護基準により週末は禁止されていた)
(3) 採捕期間前に実施していた48時間の閉鎖を任意に(潮の流れや同産業に与える影響を最小限にとどめるため行っていたが、2014年から導入された割当制のため必ずしも行わなければならないものではなくなった)
(4) 漁具の選択が可能になった(許可を持つ漁業者は、採捕期間前に袋網(fyke net)かすくい網(dip net)かを選択できるようになった。ただし、漁具を増やすことは認められていない。)
(5) Penobscotネーション、Passamaquoddy族、Houlton Band of Maliseetインディアンの採捕許可数の改変。
 同日には、MEFAと、ペンシルベニアを拠点とするアメリカウナギ持続可能協会(ASEA: American Eel Sustainability Association・山岡訳)との合併賛否を問う投票も行われた。ASEA理事のFeigenbaum氏は、合併すれば、漁業管理規定者や、アメリカウナギは絶滅危惧種だと訴える保護団体の前に、より大きな声を上げられるだろうと話す。
 また、メイン州は、個別漁獲割当制度を制定し、漁獲枠を他の高価値資源と同じように売却や相続できるようにした。この制度により、漁業者は割り当てられた漁獲枠の「潜在的な価値を開放」して利益を得る事ができる。
“Elver fishermen unite as tribes agree to new rules” (The Ellsworth American, US)

★三島市内の飲食店24店からなる「三島うなぎ横町町内会」が9日、ウナギの資源回復を祈り、三嶋大社の神池に40匹ウナギを放流した。同池や市内河川にはかつてはウナギが多く生息しており、江戸時代までウナギは三嶋大明神の使いだとされ、地元では食べられていなかった。
”ウナギの資源回復祈り40匹放流”(中日新聞、日本)
“ウナギに感謝、40匹放流 三島うなぎ横町町内会”(静岡新聞SBS、日本)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月9日)

★徳島県吉野川河口付近で8日未明、シラスウナギ漁に出かけた男性の転覆した船が見つかった。7日の21時半頃に電話で救助要請があったが、男性はその後見つかっていない。
“船が転覆 所有者の男性 行方不明(徳島県)”(日テレNEWS24,日本)

★香港の税関は、7日、63kg分のヨーロッパウナギと46kg分のシュモクザメの乾燥ヒレを女性二人の手荷物から押収した。女性らはトルコ経由でスペインから入国した。税関がヨーロッパウナギを空港利用客から押収するのは今年で4回目。無許可輸入者に対しては500万香港ドルの罰金と2年の禁固刑が科される。
 NGOのWildAidのHofford氏は、「他の絶滅危惧種の託送品等が税関の目をすり抜けているのではないか、香港政府がより重い刑罰を科し、香港と中国本土での消費を減らすよう国民に緊急呼びかけを行う事を勧める」と話した。

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“Customs seize 63kg of European eels and 46kg of hammerhead shark fin from check-in luggage” (Coconuts Hong Kong, HK)
“Shark fins and eels seized at HK airport, two women arrested” (Hong Kong Free Post, HK)

★1968年ロンドンにあったCockneylandという商業施設ではジェリードイール(うなぎのゼリー寄せ)が提供されていた。
”VIDEO: Visit ‘Cockneyland’ in 1968 Petticoat Lane”(London24, UK)

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