日刊 世界のウナギニュース(2016年3月22日)

★2016年度までにシラスウナギを完全養殖により1万匹生産し、20年度に商業化するという政府の目標達成がの見通しが立っていない。この事業は水産総合研究センターに委託されているものだが、生残率が低く、孵化からシラスウナギになるまでに1年以上かかっているのが現状だ。同センターは生残率の低さの原因を調査し、研究を仕切り直したいとしている。
“ウナギ稚魚の量産化難航=「完全養殖」仕切り直し” (時事ドットコム,日本)

★19日、有明海のウナギをテーマにしたシンポジウム「ウナギを育む日本の干潟」が佐賀県鹿島市の干潟展望館で開かれた。鹿児島大、広島大の専門家3人と市民団体による講演。
“19日、鹿島市でウナギテーマにシンポ”(佐賀新聞, 日本)

★先週末に引き続き、アメリカが明日3/22から始まるシラスウナギ漁に期待を寄せている。
“Fishermen hope for ultra-pricey baby eel catch”(The Denver Post Business,US)
“Weather gives fishermen hope for ultra-pricey baby eel catch”(South Bend Tribune, New Jersey Herald, US)
Expectations high for 2016 elver catch, prices(BDN Maine, US)

★ニュージーランド北島の南にあるOnoke湖でWairapapa Maoriの伝統漁法イベントが行われた。
近代農業が始まる前は、ウナギ漁はWairapapa Maoriにおける主要な収入源で、2年間で20tの取引があった。Wairarapa湖から産卵のために下るウナギが、河口部に位置するOnoke湖(注:砂州などにより半ば閉じられた潟湖)に集まるのを利用し、堀を作ってウナギを採っていた。しかし入植後は農業用水が常に排出されるようになり漁ができなくなった。このイベントは、ウナギの産卵時期と、河口の幅が最も狭まる時期が重なった時に行われる。
“Running of the eels’ revives south Wairarapa food-gathering tradition”(stuff.co.nz, NZ)

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

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