日刊 世界のウナギニュース(2016年3月10日)

★アメリカでシラスウナギの漁獲規制を緩和
アメリカのメイン州のシラスウナギ漁は大西洋沿岸州海洋漁業委員会により、9,
688ポンド(約4400kg)が割当られているが、実際の採捕数は5,259ポンド(約2390kg)にとどまっている。
 しかし、土曜日、同州のシラスウナギ採捕組合(MEFA: Maine Elver 
Fishermen Association・山岡訳) の年次集会があり、海洋資源委員課(Department of Marine Resources Commissioner・山岡訳)から採捕に関する法律の改正の知らせがあった。同課のKeliher氏は、改正が割当量を満たす良い機会であり、合衆国とメーン州の4部族政府との衝突を減らすのではないかと期待する。
 改正内容は、
(1) 採捕期間の延長(5/31〜7/7から3/22〜7/7に延長)
(2) 毎日採捕が可能になった(改正前は、保護基準により週末は禁止されていた)
(3) 採捕期間前に実施していた48時間の閉鎖を任意に(潮の流れや同産業に与える影響を最小限にとどめるため行っていたが、2014年から導入された割当制のため必ずしも行わなければならないものではなくなった)
(4) 漁具の選択が可能になった(許可を持つ漁業者は、採捕期間前に袋網(fyke net)かすくい網(dip net)かを選択できるようになった。ただし、漁具を増やすことは認められていない。)
(5) Penobscotネーション、Passamaquoddy族、Houlton Band of Maliseetインディアンの採捕許可数の改変。
 同日には、MEFAと、ペンシルベニアを拠点とするアメリカウナギ持続可能協会(ASEA: American Eel Sustainability Association・山岡訳)との合併賛否を問う投票も行われた。ASEA理事のFeigenbaum氏は、合併すれば、漁業管理規定者や、アメリカウナギは絶滅危惧種だと訴える保護団体の前に、より大きな声を上げられるだろうと話す。
 また、メイン州は、個別漁獲割当制度を制定し、漁獲枠を他の高価値資源と同じように売却や相続できるようにした。この制度により、漁業者は割り当てられた漁獲枠の「潜在的な価値を開放」して利益を得る事ができる。
“Elver fishermen unite as tribes agree to new rules” (The Ellsworth American, US)

★三島市内の飲食店24店からなる「三島うなぎ横町町内会」が9日、ウナギの資源回復を祈り、三嶋大社の神池に40匹ウナギを放流した。同池や市内河川にはかつてはウナギが多く生息しており、江戸時代までウナギは三嶋大明神の使いだとされ、地元では食べられていなかった。
”ウナギの資源回復祈り40匹放流”(中日新聞、日本)
“ウナギに感謝、40匹放流 三島うなぎ横町町内会”(静岡新聞SBS、日本)

「日刊 世界のウナギニュース」 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

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