日刊 世界のウナギニュース」カテゴリーアーカイブ

日刊 世界のウナギニュース(2016年5月17日)

★イギリス南部Berkeleyで16日、Berkeley小学校の子供たちが飼育していたウナギをDoverte川に放流した。これは、Avon野生基金とBristol Water社の共同プロジェクト”Spawn to be Wild”によるもので、子供たちはウナギの飼育を通してウナギの生活や保護について学んでいる。本プロジェクトは国の環境局や、ヨーロッパ全体でウナギの保護や研究を行っている専門家組織Sustainable Eel Groupも協力しており、今年で3年目を迎える。放流はAvon地域の他の小学校3校でも今月中に行われる予定。
“Berkeley pupils release baby eels back into the wild in castle grounds” 
(Gazette, UK)
飼育の様子

★中国の大手水産会社Sino Agro社(世界最大のエビ養殖場を経営している会社で現在、第二の巨大エビ養殖場を中山市に建設中)の2016年第1四半期の収益が対前年比で27%減少した。理由はウナギの売上減で、同社によると前年同期比でウナギだけで、全減益の330万$を上回る、470万$減益しているという。
“Chinese aquaculture leader Sino Agro sees 27% revenue drop in Q1 2016” (Undercurrent news, US)

★スウェーデン南西部Falkenbergでは100年前釣りが地域の収入源になっていたが、戦後、海から3km離れた場所にダムを建設してからウナギやサケなどの魚類が減少した。そのため自治体では数年前にダムを撤去し、以来、モニタリングはKarlstad大学の教授や同地域の環境局員らがモニタリングを行っており、サケが戻りつつある事が確認されている。
“Fiskens kamp mot vattenkraften” (Sverigesradio、SE)

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

日刊 世界のウナギニュース(2016年5月16日)

★熊本地震による農林水産業の被害額が自然災害によるものとしては過去最大の1300億円以上となった。4月30日の調査時点ではおよそ1,000億円だったが、新たに、ウナギ、ヤマメ、コイなどの水産業の損失分等13億円等が追加され今回の結果となった。
“熊本地震 農林水産被害 1300億円超”(NHK NEWS WEB、日本)

★ニホンウナギがCoP17の議題として提案はされなかったが、安心はしていられない。世界最大のウナギ消費国である日本が率先して資源管理に取り組むべき、と産経新聞社が主張している。
“ニホンウナギ 気緩めず資源管理強めよ”(産経ニュース、日本)

★米メイン州のシラスウナギ漁が採捕期限の6/7よりも早く終わる見通し。今年の取引額は1,450$/ポンドで去年の2,200$/ポンドよりも低い額となっている。
“Harvest Season for Biggest US Producer of Baby Eels Wraps Up”(abcNEWs, 
US)
“Harvest season for biggest US producer of baby eels wraps up” (myAJC, US)
“Maine eel fishermen running out of quota as season wraps up” (The Messenger, US)
“Maine eel fishermen near quota and end of elver season” (Portland Press Herald, US)

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

日刊 世界のウナギニュース(2016年5月12日)

★米ニューヨーク州では、推進されているアメリカウナギの調査活動(
http://www.dec.ny.gov/lands/49580.html)の一つ、Richmond川でのアメリカウナギの計数プロジェクトの紹介。この活動は。州と市の環境保護局が主催で、5年前から行われている。ボランティアが、毎日ウナギを計数、また、水温と気温の計測やダムなどの上への放流も行っており、今年はこれまでに過去3年で最高の6000匹を数えている。また、市では水質改善などのために数年にわたり100億ドルを投資してきた。
“Watch: Snapping turtle upstages slithery eels at annual count in 
Richmond Creek”(silive.com, US)

★デンマークのFyn島のSkovsøenでHøjby Skole(0-9歳までの子供が通う学校)の0-3歳児171人が湖に生息するウナギやブリームなどのふれあい体験を行った。これはOdenseのスポーツフィッシングクラブのメンバー、Nielsen氏とAndersen氏によるボランティア活動で、今回が初の試みだが、既に同校から再度オファーがあるという。
“Se billederne: 171 børn ude at fiske ved Skovsøen” (fyens.dk, DK)

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

日刊 世界のウナギニュース(2016年5月11日)

★森山農相が、CoP17の議題にニホンウナギが提案されなかった事に安堵しているというニュースが別サイトでも取り上げられています。
“ウナギ規制見送り 農相「安堵」”(スポニチ、日本)

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

日刊 世界のウナギニュース(2016年5月10日)

★環境省が来年3月にニホンウナギの保全ガイドラインを作成すると発表した。今回のように1種の魚種に対してガイドラインを作成するのは初めて。環境省では2014年度から野生のニホンウナギの全国調査を行っており、これまでに北海道と青森県の日本海側を除くほとんどの沿岸域に広く分布している事などが分っている。(注:この委託業務は、中央大学が受託し、海部が研究代表者として遂行しました)
ニホンウナギに優しい川を… 保全指針策定へ”(読売新聞、日本)
“ウナギ守る河川指針策定 環境省、17年3月公表めざす” (日本経済新聞、日本)
“Better environment eyed for Japanese eels” (The Japan News、日本)
アメリカでもこのニュースが取り上げられているようです。
“Better environment eyed for endangered Japanese eels” (The Cortez Journal, US)

★日本大学の塚本勝巳教授が、9日から13日まで熊本県天草市内などの小学校でウナギの研究や現状に関する巡回講話を行っている。
“「ウナギのなぞ」小学校で講話 天草で塚本・日大教授” (読売オンライン、日本)

★中国・雲南省の簡易ブログサイトで、’cora裂帛’(アカウント名)氏が、生物を買って野生に放すためブログ上で寄付金を募っている事に対し議論が巻き起こっている。同氏はウナギ、カッコウ、カタツムリなどを放つ生物としてリストアップしているが、ゴールデンアップルカタツムリという外来種を放した事もあり、州が調査を開始した。
“Blogger “frees” animals, stirring up controversey” (GoKunming,CN)

★ニュージーランド南島の中部のAshley川で9日、ウナギやマスをすくって水質が良いWaikuku川に放つ作業が行われた。この作業は4年前から行われている。また、付近のSelwyn川では灌漑などにより、この8年で60%水量が減り、生息するマスの数が激減している。
“Sixty per cent dip in Selwyn River flow affecting trout population” (stuff.co.nz, NZ)

★ロンドン周辺ではかつては当たり前のようにいたヨーロッパウナギが現在激減している。ボランティア、慈善団体のThames21、ロンドン動物学会、Canal and River基金は協同で、Lea川などでウナギのモニタリング調査を週2回行っていることなどが紹介されている。
“Counting East London’s eels as they ebb from the River Lea” (Hacknry Citizen, UK)

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

日刊 世界のウナギニュース(2016年5月9日)

★イギリス南西部のLuckingtonで小中学生が25日、教室で6週間飼育したウナギの稚魚を放流する。Bristol Avon Rivers基金の”Eel in the Classroom”というプ
ロジェクトの一環。
“Luckington School pupils to release baby eels inton Luckington Brook 
after rearing them for six weeks” (Wilts aand Gloucestershire Standard, 
UK)

★5/3にお送りした、アメリカ・ニューヨーク州のHudson川の環境改善などを目的としたプロジェクトの関連ニュース。アメリカウナギの回遊を阻害しているとされるLower Saw Killダムを維持・修繕または一部撤去または全撤去した場合の影響を調査するBard大学のプロジェクトが承認された。
“Bard College wins two Hudson River Estuary Grants” (Daily Freeman News, 
US)

★アメリカ・ニューヨーク州のWestchester郡で年1回開かれるアースデイで、環境保護やリサイクルなどを積極的に行った個人や団体に贈られるアースデイ賞の受賞者が発表された。学内の干潟でシラスウナギの回遊モニタリングを行っているSarah Lawrence College Center等が受賞した。
“05/07 Astorino Invites All To Celebrate Earth Day Events At Kensico Dam 
Plaza Tomorrow 10 AM” (Talk of the Sound, US)

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

日刊 世界のウナギニュース(2016年5月6日)

★米メイン州のシラスウナギ漁獲量が、今季漁期の半分を過ぎた時点で、年間漁獲割当量の8割を超した。漁業規制の緩和や、暖冬・春の穏やかな気候が好況の原因と考えられている。
”Maine Elver Harvesters on Track to Reach Quotas”(Maine Public 
Broadcasting, US)

★イタリアでも、オーストラリアのコイヘルペス散布のニュースが取り上げられている。
”Australia, l’herpes contro le carpe aliene”(Focus.it, IT)

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

日刊 世界のウナギニュース(2016年5月5日)

★フィリピン政府系銀行のフィリピン開発銀行が、初めて養鰻業者に対して貸付を行う。融資を受けるのはラグナ州のCacayan Aqua Ventures株式会社。同地域では1960年代にうなぎ産業が始まり、70年代には徐々に衰退していたが、近年、日韓台中などからの引きが強く、盛り返しを見せている。同社は、持続的な養鰻と蒲焼の密輸防止をしていくとし、養鰻から販売までを含めたうなぎ産業が地元に根付くよう事業を進めていく構えだ。
“DBP spearheads lending to sunshine eel industry” (Business Mirror, PH)

★イギリス南西部のDorset州では、環境庁、Westcountry Rivers基金、Frome, Piddle and West Dorset漁協、Friends of Rivers Groupが、Frome川などから、水門や堰などの人工障害物を協同で撤去した結果、産卵のためにサケやマスなどが遡上しに来ているなどの改善が見られている。ウナギや他の釣りの対象魚種の増加も期待されている。
“Dorset river partnership makes changes in bid to boost fish numbers” (Dorset Echo, UK)

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

日刊 世界のウナギニュース(2016年5月4日)

★イギリスのうなぎフェスティバルは盛況のうちに幕を閉じた。
“Eel Festival welcomes thousands to the streets of Ely” (Ely Standard, 
UK)

★米オレゴン州で、カリフォルニアアシカがウナギやサケなどを食べており、漁業資源が減っているとして地元の漁師らが問題視している。カリフォルニアアシカは保護の対象であり、漁師らは対策を講じかねている。州の魚類野生生物局(The Oregon Department of Fish and Wildlife、山岡訳)は事態を数年見守っている状況だ。
“Fisherman: Hungry sea lions impacting local rivers” (Koin6, US)

★アルマゲドンならぬカルパゲドンがやってくる。
豪政府が1日、大量に繁殖しているコイの数を制限するため、2018年末までにコイヘルペスウイルス(cyprinid herpesvirus 3)をMurray川とその支流のDarling川に撒くと発表した。費用は1500万豪ドル(約1億2千万円)。豪州連邦科学産業研究機構(CSIRO)のMcRoll氏は、このウイルスはヒトや他の種への感染リスクは小さいとしているが、一方でNew South Wales大学のKingsford教授のように、予測していなかったような問題が起きる可能性もあると指摘する声もあ
る。
“Australia to destroy alien carp by releasing herpes into rivers” (New 
Scientist, UK)


世界的な水産物需要の高まりを受け、養殖魚用エサ市場が2013〜2019年の間に年平均11.4%ずつ拡大するとみられている(市場規模は2012年時点で577億$、2019年には1,226億$の予想)。養殖魚のエンドユーザーはウナギ、サーモンなど。
“Global Aqua Feed Market to Expand at 11.40% CAGR from 2013 to 2019 
owing to Growing Consumption of Fish.” (Industry Today, UK)

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

日刊 世界のウナギニュース(2016年5月3日)

★今年のワシントン条約第17回締約国会議(CoP17)に関して、ニホンウナギの附属書掲載提案が見送られたことを各社が報じています。
”ニホンウナギ、規制見送りも「管理強化を」 静岡県内危機感強く”(静岡新聞SBS、日本)
”ウナギと本マグロ、輸出入規制回避へ 食卓に影響なし”(朝日新聞デジタル、日本)
”ウナギ、マグロ規制見送り=国際取引禁止案リスト−ワシントン条約”(時事ド
ットコム、日本)
”ウナギ「取引禁止」回避…ワシントン条約”(読売オンライン、日本)
”ニホンウナギ取引規制、米EUが提案見送り”(TBS News i、日本)
”ニホンウナギ規制提案なし” (ロイター、日本)
”ニホンウナギ貿易規制は見送り ワシントン条約締約国会議”(日本経済新聞、日本)
”ワシントン条約締約国会議議題発表 ニホンウナギ規制提案見送り”(FNN、日本)

★米ニューヨーク州は2日、同州を流れるHudson川の水質改善や災害対策、レクリエーションの活性化のために300万ドルを拠出すると発表した。このうち176万ドルは既に36のプロジェクトに割り当てられており(残りの125万ドルは地方自治体や組織からの応募受付中。6/30まで)、そのプロジェクトのうち5つがアメリカウナギなどにとって問題となっている生息地の断絶に関連するものとなっている。
該当プロジェクト:Pace University, Schoharie County Planning 

Department,Village of Voorheesville, Town of Red Hook, Bard College.
”Funding to Improve Hudson River Access, Environmental Protections”(HVNN.
com, US)

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。