日刊 世界のウナギニュース(2016年5月10日)

★環境省が来年3月にニホンウナギの保全ガイドラインを作成すると発表した。今回のように1種の魚種に対してガイドラインを作成するのは初めて。環境省では2014年度から野生のニホンウナギの全国調査を行っており、これまでに北海道と青森県の日本海側を除くほとんどの沿岸域に広く分布している事などが分っている。(注:この委託業務は、中央大学が受託し、海部が研究代表者として遂行しました)
ニホンウナギに優しい川を… 保全指針策定へ”(読売新聞、日本)
“ウナギ守る河川指針策定 環境省、17年3月公表めざす” (日本経済新聞、日本)
“Better environment eyed for Japanese eels” (The Japan News、日本)
アメリカでもこのニュースが取り上げられているようです。
“Better environment eyed for endangered Japanese eels” (The Cortez Journal, US)

★日本大学の塚本勝巳教授が、9日から13日まで熊本県天草市内などの小学校でウナギの研究や現状に関する巡回講話を行っている。
“「ウナギのなぞ」小学校で講話 天草で塚本・日大教授” (読売オンライン、日本)

★中国・雲南省の簡易ブログサイトで、’cora裂帛’(アカウント名)氏が、生物を買って野生に放すためブログ上で寄付金を募っている事に対し議論が巻き起こっている。同氏はウナギ、カッコウ、カタツムリなどを放つ生物としてリストアップしているが、ゴールデンアップルカタツムリという外来種を放した事もあり、州が調査を開始した。
“Blogger “frees” animals, stirring up controversey” (GoKunming,CN)

★ニュージーランド南島の中部のAshley川で9日、ウナギやマスをすくって水質が良いWaikuku川に放つ作業が行われた。この作業は4年前から行われている。また、付近のSelwyn川では灌漑などにより、この8年で60%水量が減り、生息するマスの数が激減している。
“Sixty per cent dip in Selwyn River flow affecting trout population” (stuff.co.nz, NZ)

★ロンドン周辺ではかつては当たり前のようにいたヨーロッパウナギが現在激減している。ボランティア、慈善団体のThames21、ロンドン動物学会、Canal and River基金は協同で、Lea川などでウナギのモニタリング調査を週2回行っていることなどが紹介されている。
“Counting East London’s eels as they ebb from the River Lea” (Hacknry Citizen, UK)

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

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