日刊 世界のウナギニュース」カテゴリーアーカイブ

日刊 世界のウナギニュース(2016年6月8日)

★香港の食品安全センター(The Center for Food Safety, CFS)は7日、鰂魚涌の生鮮食品店のうなぎからマラカイトグリーン4.6ppbが検出されたと発表した。犯人には5万ドルの罰金と懲役6か月が課せられる。販売会社によると汚染された製品は残っていないという。CFSでは原因と汚染された製品のトレースを行う予定。
“CFS finds traces of malachite green in eel sample” (香港政府、香港)
http://www.info.gov.hk/gia/general/201606/07/P201606070788.htm

日刊 世界のウナギニュース(2016年6月7日)

★米メイン州のシラスウナギ漁が終わりを迎える。年間割当量に到達した漁業者は既に漁を止めている。同州全体の漁獲可能量は1万ポンド弱だが、5月末の時点では可能量まであと400ポンドまで達していた。
“Maine’s lucrative baby eel fishing season ending for year” (WCSH6, US)
http://www.wcsh6.com/news/local/maines-lucrative-baby-eel-fishing-season-ending-for-year/234413237

他4サイトでも同じ記事が掲載されています。元記事はAP通信社(The Associated Press)。

★フランス北部のÉclusier-Vauxで7月10日、うなぎ祭りが開催される。今年で16回目で、約8千人の来場者が見越まれている。当日はうなぎの燻製400kgがふるまわれたり、カヌーの試乗体験等ができる。
“ÉCLUSIER-VAUX 400 kg d’anguille pour la fête le 10 juillet” (Courrier piccard, FR)
http://www.courrier-picard.fr/region/eclusier-vaux-400-kg-d-anguille-pour-la-fete-le-10-juillet-ia182b0n791666

★世界環境デーの5日、アルジェリア北東部のラムサール条約に指定されているEl Kala国立公園内のOubeïra湖で、環境保護団体のリーダーが、2500ha分の土地の水質を悪化させてきたして政府に抗議し、自殺を図った。同湖では水位低下やウナギの密漁の横行(200の袋網(fyke net)が使われたこともある)が問題となっている。
“Un écolo tente de se suicider pour sauver le lac Oubeïra” (El Watan, DZ)
http://www.elwatan.com/hebdo/environnement/un-ecolo-tente-de-se-suicider-pour-sauver-le-lac-oubeira-06-06-2016-322439_158.php

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

日刊 世界のウナギニュース(2016年6月6日)

★5/31に開かれたThe Sustainbale Eel Groupの会議のスライドが公開された。当日は、ウナギの保全のための国際的な舵取りモデル、密輸の現状や主な密輸元がスペインである理由(スライドによると、香港や隣国との協力体制がある事、現地でシラスウナギが消費されている事、スペインの政治体制(地方分権制))、SEGが国際社会環境認定表示連合のメンバーになるための方針、うなぎ産業の再構築等についての講演があった。
“SEG CONFERENCE 2016: ILLEGAL EEL TRAFFICKING EXPOSED”(SEG, UK)
http://www.sustainableeelgroup.org/2016/06/03/seg-conference-2016-illegal-eel-trafficking-exposed/

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日刊 世界のウナギニュース(2016年6月3日)

★北アイルランドのネイ湖周辺のAntrim Castle Gardensで7/2、River to Loughフェスティバルが開催される。今年で3年目を迎え、年々人気が高まっており、今では北アイルランドで最もユニークなフードフェスティバルの一つとして知られている。当日は料理教室、漁師のお話会、ネイ湖の伝統的なうなぎ料理などが楽しめる。
“River to Lough Festival returns” (Ballymena Times, UK)
http://www.ballymenatimes.com/news/ballymena-news/river-to-lough-festival-returns-1-7412575
公式サイト:https://rivertolough.co.uk/eeleatery/

★フランス北西部のLoire-Atlantique県で5/31、124kg分のウナギが押収され、6人が逮捕された。
“Braconnage : les gendarmes saisissent 124 kilos d’anguille” (France 3, FR)
http://france3-regions.francetvinfo.fr/pays-de-la-loire/loire-atlantique/braconnage-les-gendarmes-saisissent-124-kilos-d-anguille-1013231.html

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日刊 世界のウナギニュース(2016年6月2日)

★米メイン州のシラスウナギ漁が30日月曜の時点で年間漁獲割当量に到達するまで残すところあと385ポンド(約175kg)となった。
“Maine’s elver fishermen almost out of quota for 2016” (fosters.com, US)
http://www.fosters.com/article/20160601/AP01/306019997

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日刊 世界のウナギニュース(2016年6月1日)

ちょっと間が空きました。

★英ロンドンで5/31、The Sustainable Eel Group(SEG)により国際ウナギ会議が開かれた。この半年間調査を行ってきたシラスウナギの違法取引が主題の一つで、ヨーロッパ全体のウナギの管理モデルや、ヨーロッパにおける産業の流通透明化に向けた取り組みなどについての講演が行われた。
“PRESS INVITATION: “THE ILLEGAL TRAFFICKING OF EELS TO ASIA IS EUROPE’S OWN IVORY TRADE”” (The Sustainable Eel Group, UK)
http://www.sustainableeelgroup.org/2016/05/30/press-invitation-the-illegal-trafficking-of-eels-to-asia-is-europes-own-ivory-trade/
“Eu eel industry works to stop trafficking into Asia” (IntraFish, NO)
http://www.intrafish.com/fisheries/761691/eu-eel-industry-works-to-stop-trafficking-into-asia
“The Sustainable Eel Group: “Stop Illegal Trafficking of Eels to Asia””
(PR Newswire, US)
http://www.prnewswire.com/news-releases/the-sustainable-eel-group-stop-illegal-trafficking-of-eels-to-asia-581400031.html
“Die Sustainable Eel Group: “Stoppt den illegalen Schwarzhandel mit Aal
nach Asien” (finanzen.net, DE)
http://www.finanzen.net/nachricht/aktien/Die-Sustainable-Eel-Group-quot-Stoppt-den-illegalen-Schwarzhandel-mit-Aal-nach-Asien-quot-4912241

★奇しくも同日に日本で開催された2016年日本ウナギ会議が取り上げられています。
“「正確な資源量調査を」日本ウナギ会議が会合” (産経ニュース、日本)
http://www.sankei.com/life/news/160531/lif1605310031-n1.html

★「違法・無報告・無規制(IUU)漁業の防止、抑制、廃絶のための寄港国措置協定」が6/5にFAOにより発効される。これにより、寄港国が、外国漁船の漁業記録や貨物情報の提出を要求したり、入港拒否した漁船の情報共有等が可能になるという。IUU漁業で多く捕獲されているのはマグロ、ウナギ等需要の高い魚種。日本が本協定を批准する見通しは立っていない。
“密漁品規制が遅れる日本 欧米など新協定5日発効” (東京新聞、日本)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201605/CK2016053002000246.html

★デンマークの国立水産資源研究所が50万匹のシラスウナギを放流する。放流されるのは、元々南ヨーロッパに生息していたもので、放流により増えるという確信はないが、密度が高い場所から低い場所に移動させることで生残率が高まるのではないか、と関係者は期待している。デンマークではこの25年に90%の個体群が減少し、原因は農業等により河川環境が変化して生息場が減少したためだと考えられている。
“Udsætning af babyål skal hjælpe truet ålebestand” (BT, DK)
http://www.bt.dk/danmark/udsaetning-af-babyaal-skal-hjaelpe-truet-aalebestand

★ニュージーランドの第一次産業省は、絶滅が危惧されているlong fin eelと、よく見られるshort fin eelの管理方法を異なるものにしていく事を決めた。ニュージーランドでは2013年にオンブズマン(The Parliamentary Commissioner、
「公的サービスを監視し評価する機関」。http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/tyosa/h22kokusai/2_5.html
より引用)がlong fin eelsの資源状態を調査しており、同種が徐々に絶滅危惧に近づいて行っていると判断。国際的な専門家は、第一次産業省が漁獲量の上限を決定する際に用いた情報が限定的だとして批判していた。オンブズマンのWright氏は、明らかに回復しているという証拠が得られるまでは、商業目的の捕獲を一旦停止していきたいと話した。
“Environment Commissioner welcomes step toward saving longfin eels” (
Voxy, NZ)
http://www.voxy.co.nz/national/5/253320

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日刊 世界のウナギニュース(2016年5月23日)

★日本経済新聞の社説で、CoP17の議題としてニホンウナギが提案されなかったが依然として資源は危機的な状況にある、資源管理と流通の透明化などが必要、と述べられている。
”ウナギの資源危機は去らず” (日本経済新聞、日本)

★世界回遊魚の日(5/21)特集★
○イギリス
イギリスでは2012年から現在までに総距離2万km(ロンドンからリオデジャネイロの往復距離に相当)分の川を開放してきた。全ての堰を撤去するのは治水対策上難しいが、環境局はこれからも開放にむけた活動を進めていく方針だ。
“Improving fish migration thousands of miles of rivers in England opened 
up” (Market Business News, UK)
○ガーナ
上のイギリスのニュースが取り上げられています。
Rivers in England Now Carriageways for fish” (News Ghana,ガーナ)
○スペインのアンダルシアでは30kg分のウナギが放流された。
“Sueltan 30 
kilogramos de anguila europea con motivo del Día Mundial de la Migración de Peces” (Peces.com,ES)
○イタリアでも500匹のウナギが放流された。”Storioni e anguille 
proveninenti da acquari riminesi tornano in libertà” (altarimini.it, IT)
○WWFが、チョウザメの現状についてコラムを載せている。チョウザメの漁獲量ははこの30年で世界全体で99%減少しており、チョウザメだけではなくウナギなど回遊魚の多くが絶滅の危機に瀕しているとして警鐘を鳴らしている。
“Migratory fish species suffering severe population loss” (WWF)
○ヨーロッパウナギのシラスの加入量はこの30~50間に激減しており、保護のためには国際的な流通規制の強化などが必要だと主張するコラム。
“World Fish Migration Day: Protecting the European Eel”(The Fish Site, 
UK)

★フィリピンのマニラ島北部Cagayanの3地域では、2013年からロンドン動物学会がダーウィンウナギプロジェクト(Darwin Eel Project)として淡水ウナギの保護区域を設けている。これは淡水環境の保護と、ウナギを生活の糧にしている地域住民の協力をはかっていく事を目的としたもの。保護区域は塩ビパイプで仕切られ、オレンジ色は”厳重保護区域”で採捕禁止、青色の”持続可能な緩衝域(sustainable-buffer zone、山岡訳)”や他のエリアでは決められた漁具でなら採捕可能としている。同学会のGollock氏によると、淡水ウナギは生息域の減少、採捕、環境変化により減少が危惧されている。
“Eel sanctuaries in Cagayan identified” (The Manila Times,PH)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年5月20日)

★明日21日は世界回遊魚の日。60か国以上で400以上のイベントが開かれる。イベントは釣り、河川清掃、セミナー、ダム撤去など様々。公式サイトはこちらこの日に合わせて、ウナギなどの回遊魚の個体数の世界的な減少や水圏生態系の保護・回復活動についての記事が多く挙げられている。

アメリカ
“Celebrations for World Fish Migration Day Focus Global Attention on Conservation Challenges Faced by Migratory Fish Species” (The Nature Conservancy, US)
“Intertwined Lives: Migratory Fish And Freshwater Mussels” (American Rivers, US)

オランダ
“Aandacht voor vismigratie” (Dieren.blog.nl,NL)

ニュージーランド
“Workshop at Tolaga Bay among World Fish Migration Day events” (Gisborneherald.nz, NZ)

フランス
“Eu : à la découverte des poissons de la Bresle samedi 21 mai” (Paris 
Normandie.fr,フランス)
“Découvrir les poissons migrateurs de la Bresle”

★エストニアの2015年の水産物養殖生産量が、過去20年間で最高売上を記録した前年と比べて減少した。2015年の販売量はニジマスが最も多く、200万€相当の売上があった。主な輸出物であるヨーロッパウナギや(それほどの量はないが)チョウザメは全生産量のうちの7%が輸出分となったが、これも前年と比べて8%下がった。
“The volume of aquaculture production in Estonia sold fell in 2015” (The 
Baltic Course, LV)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年5月19日)

★神奈川県の境川遊水地公園内の情報センターではニホンウナギやミナミメダカなどが展示されている。展示方法を変えてから人気を得ているという。
“環境再現し、生き物展示” (タウンニュース、日本)

★16日、17日未明にかけて北朝鮮が、韓国との国境近くにあるHwanggangダムの水を通報せずに大量に放水したため、ダムが設置されているイムジン川付近のウナギ漁業者らの網が流されるなどの被害が出ている。Hwanggangダム下流韓国側にある江南(Gunnam)ダム管理者によると、既に1300万トン分の水が貯水されていたため放水せざるをえなかったという。北朝鮮によるHwanggangダムの大量放水は2009年9月にもあり、韓国人6人が死亡したため同年10月に放水の際は韓国当局に事前連絡する同意がなされていた。
“North Korea causes flood in Gyeonggi”(Korea Joongang Daily、韓国)
“North Korea flooded South without notice, Seoul says” (UPI,US)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年5月18日)

★中央大学理工学部の鷲谷教授が、ウナギが絶滅の危機に瀕している状況や保全策に関して寄稿した。資源回復のために行っている放流は野生の個体群にとっては有害になりうる事や、持続可能な利用のためには海と川の連続性、水辺環境の改善が必要である事等を説いている。
“ウナギの受難 私たちが今なすべきこと”(読売オンライン、日本)

★米メイン州のシラスウナギ漁が好況で、17日時点で、年間割り当て量9,688ポンドに対し9,088ポンドに到達した。海洋資源局により許可されている養鰻業者の池入れ量はあと569ポンド残っている。取引価格は漁期終了に伴い下落しているが、ある養鰻業者は、価格がこれから上昇する事はないだろうが最後の1尾が採られるまで買い続けると話している。
“Elvers and out: Fishing season likely to end early” (The Ellsworth American, US)

★ニュージーランドの環境保護省が行っているモニタリング調査についてのコラム。個体数の変化や湿地での放流の効果測定が目的で、体長、体重、体色を記録している。
“Column: How do you catch glass eels in the dark?” (stuff.co.nz、NZ)

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