日刊 世界のウナギニュース」カテゴリーアーカイブ

日刊 世界のウナギニュース(2016年4月1日)

★アメリカ、ニューヨーク州のボランティア団体、Saw Kill流域コミュニティの
ミーティングが4/4に行われる。ミーティングでは、アメリカウナギ市民科学調
査プロジェクトについて議論される予定。本プロジェクトは研究者、学生、地域住民がHudson川支流で毎春、シラスウナギを採捕する。
“Saw Kill watershed community meeting April 4 in Red Hook” (The Daily Freeman, US)

★イギリスのGuardianでヨーロッパウナギの密漁と密売に関するコラムが掲載されています
“Illegal eel: who is pilfering Europe’s catch?” (The Guardian, UK)

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

日刊 世界のウナギニュース(2016年3月31日)

★千葉県白子町の南白亀川で23日、地元の小学生が南白亀川漁協の行事でウナギの成魚240尾を放流した。同川の改修護岸工事を行った土木業者2社が出資。
“千葉)白子町の南白亀川でウナギ放流 白潟小児童” (朝日新聞,日本)

★宮崎県のシラスウナギ漁獲量、過去3番目の不漁。今季は昨年12/6~今年3/19まで行われ、特に昨年12月の漁獲量が前季比の半分強にとどまった。そのため、前季は81万円/kgであった取引価格が、今季は113万円/kgとなった。
“シラスウナギ 今季も不漁 県、資源管理徹底を呼びかけ”

★WWFカナダにより、Nova Scotia、Prince Edward島、New Brunswick、Quebecの水域の汚染度が全体的に見て高い事が判明した。Nova ScotiaのFundy湾、St Lawrence湾、Prince Edward島では特に農業汚染と点源汚染によるリンと窒素過多が見られ、汚染度は高レベルと判定された。Funky湾、St Lawrence湾の一部では、基準値を上回るアルミニウム、カドミウム等も検出された。Nova Scotia南東大西洋側は、点源汚染(直接排水)とパイプライン事故のため高レベルとされた。また、ダムや道路、鉄道による生息地の分断が全地域で見られている。これらの地域には150万人の人が生活しており、アメリカウナギ、絶滅危惧種のモリイシガメなどの生息地として知られている。
WWFは、情報不足に対しても懸念している。
“Pollution a very high threat to Eastern Canada watershed, new WWF 
report finds” (Montreal Gazette, CA)

★スウェーデン南東のBråvikenで28日夕方と29日朝に無許可のウナギ漁用の網が見つかった。スウェーデンでは2007年5月からウナギの採捕が禁止されている。
“Fiskebrott upptäckt i Bråviken” (nt.se, SE)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月29日)

★北アイルランドのネイ湖漁協が、組合員を7人追加し、総勢15人程度となったと発表した。漁協ではウナギなどを含む魚類の採捕を5/31まで禁じており、理事長のClose氏は今まで違法行為はないと話す。採捕許可の管理を行っている文化・芸術・レジャー省では引き続きパトロールを行うとしている。
“Fishermen’s Co-operative beefs up number of bailiffs working on Lough Neagh”(Mid-Ulster Mail, UK)

★すでに紹介した、国連が公海保護に向けて動き出したというニュースが取り上げられている。
“The next big environmental treaty: The high seas” (Fusion, US)
“UN Committee Begins Work on High Seas Treaty” (ABC News, US)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月28日)

★国連が来週から公海の生物保護に向けて「強固なシステム」づくりができるように議論を開始する。公海は海洋全体の2/3を占めているが、これまでは、共有のものであり誰も責任を負うものではないという認識があり、国際的な規制がなされてこなかった。しかし合意形成には、各国が対象種、生息地やその範囲、公海内に入れる人数等を決定しなければならず、簡単な道のりとは言えない。国連の水圏保護の施策を援助しているピューチャリタブルトラストは、公海における漁業やその他の人類活動の厳重な規制や禁止をするよう国連に提言しているほか、政策立案者のために環境への影響度評価方法の作成もするよう強く求めている。
“U.N. Aims to Protect More of the High Seas” (Scientific American, US)
”World’s nations gather to rescue ocean life” (Phys.org,US)
「公海の生物保全へ条約 国連、乱獲防止ルール策定へ (日本経済新聞、日本)」(記事の冒頭のみ無料公開、続きは会員のみ。)

★イギリスの文化遺産宝くじ基金は金曜日、北アイルランドのネイ湖の文化や自然保護を目的とした、ネイ湖景観パートナーシップ(Lough Neagh Landscape Partnership:山岡訳)に対し249万ポンド(約3億9840万円)の助成金を出すと発表した。ネイ湖はバイキングの居住跡地やイギリスでも数少ないウナギ漁地として知られている。本パートナーシップの期間は5年間で、湿地・泥岩帯・沼地の保護、地域住民のトレーナーとしての育成、地域再開発などを行う27のプロジェクトからなる。
“Lough Neagh’s heritage receives £2.49m grant” (Ballymena Times, UK)
*3月17日に関連のニュース

★ヨーロッパウナギとアメリカウナギの産卵がどのように行われているか、どこでどのようにして仔魚が生まれるかは未だにわかっていない。
“Biologists still don’t know where baby eels are made” (Digital 
Jouurnal, US)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月25日)

★静岡新聞社と南日本新聞社、宮崎日日新聞社の合同連載企画「ウナギNOW」が、2015年の水産ジャーナリスト会大賞を受賞。
“地方3紙のウナギ合同連載が受賞 水産ジャーナリスト会大賞” (中日新聞,日
本)

★アメリカのマサチューセッツ州North Billericaで、回遊性の魚がConcord川に移動しやすくするため、国家歴史登録財でもあるTalbot Millsダムを改築するか撤去するかを問うパブリックコメントが4/6まで募集されている。2/23に開かれた住民会議では、アメリカウナギなどの回遊性魚類の移動が、Merrimack川にあるEssexダム、Concord川のMiddlesex滝とCentennial Fallsダムによって妨げられているとし、その中でも主要因がTalbot ダムであるという報告がなされ、ダムの構造や、(設置した場合の)魚道のデザインなどについての評価が行われた。
一方、Middlesex運河協会役員会は、建設中(25%の段階で数年止まっている)
のダムの貯水湖を中心としたMiddlesex Canal公園建設に既に巨費が投じられて
おり、今後の建築費としても340万ドルの予算があるとして、3/2に行われた投票では反対票を投じている。
“Officials seek input on Billerica’s Talbot Mills Dam proposal by April 6” (Wicked Local Billerica、US)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月24日)

★引き続き、米メイン州でシラスウナギ漁に期待がかかっていると、複数の米国メディアが伝えている。
“Weather gives fishermen hope for ultra-pricey baby eel catch” (Daily Local News, US)
Maine Fishermen: Warm Weather Could Mean More Productive Elver Season” (MPBN News, US)
“Despite chill, elver fishermen eager for start of season” (BDN Maine, US)
“Elver season opens with new laws in place” (The Ellsworth American, US)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月23日)

★アメリカのメリーランド州にあるBloedeダムの除去プロジェクトが始まる。
“Bids set to go out for removal of Bloede Dam at Patapsco Valley …”
(Baltimore sun, US)

本プロジェクトの概要(メリーランド州天然資源局によるプロジェクトの紹介
-Bloedeダムは、1907年にPatapsco川州立公園内に建設されたが、(人の)死亡事故や生態系への悪影響がのため、メリーランド州の天然資源局(Department of Natural Resources、山岡訳)で改善策として除去に踏み切った。-Patapsco川には、かつてはアメリカウナギ、シャッドなどが生息していたがダム建設以降見られなくなった。1990年に魚道を設置したが特にウナギに対する効果が見られなかった。

-作業予定
2015年秋~下水道管の移転、ダム周辺の木の伐採
2016年冬~ダム除去(歴史として一部保存)
2017年春~植樹

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月22日)

★2016年度までにシラスウナギを完全養殖により1万匹生産し、20年度に商業化するという政府の目標達成がの見通しが立っていない。この事業は水産総合研究センターに委託されているものだが、生残率が低く、孵化からシラスウナギになるまでに1年以上かかっているのが現状だ。同センターは生残率の低さの原因を調査し、研究を仕切り直したいとしている。
“ウナギ稚魚の量産化難航=「完全養殖」仕切り直し” (時事ドットコム,日本)

★19日、有明海のウナギをテーマにしたシンポジウム「ウナギを育む日本の干潟」が佐賀県鹿島市の干潟展望館で開かれた。鹿児島大、広島大の専門家3人と市民団体による講演。
“19日、鹿島市でウナギテーマにシンポ”(佐賀新聞, 日本)

★先週末に引き続き、アメリカが明日3/22から始まるシラスウナギ漁に期待を寄せている。
“Fishermen hope for ultra-pricey baby eel catch”(The Denver Post Business,US)
“Weather gives fishermen hope for ultra-pricey baby eel catch”(South Bend Tribune, New Jersey Herald, US)
Expectations high for 2016 elver catch, prices(BDN Maine, US)

★ニュージーランド北島の南にあるOnoke湖でWairapapa Maoriの伝統漁法イベントが行われた。
近代農業が始まる前は、ウナギ漁はWairapapa Maoriにおける主要な収入源で、2年間で20tの取引があった。Wairarapa湖から産卵のために下るウナギが、河口部に位置するOnoke湖(注:砂州などにより半ば閉じられた潟湖)に集まるのを利用し、堀を作ってウナギを採っていた。しかし入植後は農業用水が常に排出されるようになり漁ができなくなった。このイベントは、ウナギの産卵時期と、河口の幅が最も狭まる時期が重なった時に行われる。
“Running of the eels’ revives south Wairarapa food-gathering tradition”(stuff.co.nz, NZ)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月18日)

★鹿児島県が、資源回復が見られなかったため、産卵回遊に向かうニホンウナギの禁漁期間の1年延長を決定した。当初は平成25~27年の予定だった。
(注:ニホンウナギは秋から冬にかけて産卵回遊を開始するため、この時期を禁漁とすることで産卵回遊へ向かう個体を保護することができる)
”やはり今年も高嶺の花か?産卵期のウナギ禁漁延長…鹿児島県、資源回復進まず”(産経WEST,日本)
“産卵期のウナギ禁漁延長 鹿児島”(産経ニュース,日本)

★台湾では、3月から10月までをシラスウナギの禁漁期間とした。違反者には30,000台湾元以上の罰金が科される。
“鰻魚資源永續利用 3至10月禁止捕撈” (中央通訊社, TW)

★アメリカのメイン州では、今春は気候が温暖である事を受け、シラスウナギが多く採れるのではと期待されている。2015年は、割当量約10,000ポンド(約4,530kg)に対し、5,300ポンド(約2,400kg)しか採捕されておらず、漁業者達は、寒春だと川が3月下旬まで凍っていてウナギが遡上してこないと不満をもらしていた。メイン州は米国内唯一のシラスウナギの産地。
“Weather gives fishermen hope for ultra-pricey baby eel catch” (The Seattle Times,US)

★ニュージーランド北島のファンガレーのHikurangi沼では毎秋、大量のウナギが池用のポンプに巻き込まれて死亡している。ファンガレー地区自治体とニュージーランド国立大気水圏研究所は、ウナギがポンプのブレードを避けるための電気バリアに関する研究を進めてきた。同自治体のエンジニアTwose氏は、電気バリアが機能していればウナギが死ぬことはないが、ポンプの中央にある大きなパイプが降河を邪魔している。ポンプが稼働していない時に実験をする予定だ、と話す。
“Eels sliced to pieces by swamp pumps” (RNA, NZ)

★14日、ヘルシンキ委員会(HELCOM:Baltic Marine Environment Protection 
Commission – Helsinki Commission)のミーティングで、デンマークが、バルト海の絶滅危惧種の保護を遅らせていると非難された。「何年間も専門家を送っていない、ミーティングに去年まで参加していない。全てを遅らせている唯一の国だ」と、フィンランド政府組織OceanaのPaulomäki氏は語る。また同組織からは、「ヨーロッパウナギ、ネズミイルカ等が無視されている。」との声も上がった。元の協定では、各締約国が2021年までに海洋環境と絶滅危惧種の状態を改善するための行動計画を作成することになっているが、あくまで「考慮」することにとどめられている。
“Denmark ‘ruins’ deal that protects endangered marine species” (Copenhagen Post, DK)
“Miljøfolk: Danmark hindrer beskyttelse af Østersø-arter” (Folketidende, DK)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月17日)

★アメリカのデラウェア州が、15日、大西洋沿岸州海洋漁業委員会のアメリカウナギの管理計画に従うことを決めた。このことにより、委員会は金曜日より発効予定だったウナギ漁の一時停止措置を取り下げた。
“Feds withdraw eel fishing moratorium for Delaware” (WMDT, US)
州からの通告

★ヨーロッパ最大のウナギの産地ネイ湖(北アイルランド)のマーケティングが盛ん。アイルランドの高級レストランなどで提供されているほか、イギリスやオランダ、ドイツ等に輸出されている。ネイ湖のウナギは、北アイルランドがEU保護名として認めている製品の一つで年間400t産出されている。
“Lough Neagh’s famous eels making a splash in Dublin and Thailand” (Mid-Ulster Mail, UK)

★1958年にアメリカのイリノイ州で発見された化石”Tully monster (Tullimonstrum gregarium) “は長年、昆虫、軟体動物、脊椎動物のどの仲間に分類されるか議論されていた。Yale大学のMcCoy氏が、現在のヤツメウナ
ギの近縁種である事を突き止めた。
“Fishy origin of bizarre fossil ‘monster’ (BBC, UK)

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