日刊 世界のウナギニュース」カテゴリーアーカイブ

日刊 世界のウナギニュース(2016年3月16日)

★イギリスで、魚類の移動改善のための新法が発布される。この法律では、移動の妨げとなっている障害物を明らかにすることが狙い。環境局では2009年から、イギリス内のサケが遡上する主な川で82の魚道を設置、堰などの障害物の撤去や変更を行っている。
“Law change proposed to reverse declines of valuable fish stocks” (The Yorkshire Post, UK)

 

★ニュージーランド北島のTaranaki川でウナギが8尾死んでいるのが見つかった。夏の暑さによるに水温上昇と川の水量の低下が原因とされているが、未認可の排水も一因として考えられている。Taranaki広域自治体のMcLay氏は、ウナギは高温に耐性があるが、水温上昇に伴うバクテリアの増加が既に病気だったウナギに感染したのではないか、また、川岸に植物を植えれば夏の間、水温が下がるかもしれないと述べた。
“Eels dying in warm watered and polluted Taranaki rivers”(TARANAKI DAILY NEWS、NZ)

★TBSの政治部記者が赤坂(東京都)のスーパーで13日、鰻の蒲焼などを万引きした。
“万引き疑いのTBS記者を釈放 犯行の理由話さず” (テレ朝news, 日本)

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

日刊 世界のウナギニュース(2016年3月14日)

★フランスで、河川の水質や、ウナギを含む、生息している魚類の情報などが分るアプリを開発。Android,iOSどちらにも対応。
“Qualité des rivières : l’application qui dévoile les poissons de vos cours d’eau”(La Depeche. fr, FR)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月11日)

★ノバスコシアの消防士が8日、野火を消火しようとした際水が出なかったため、給水栓を確認したところ、ナマズが詰まっていた。過去に、ウナギやトカゲも詰まっていたことがあるという。
“Firefighters Find Fish In Nova Scotia Fire Hydrant”(The Huffington 
Post, CA)
“Fish not the first to be found in equipment, say fire officials” (Farm 
Focus of Atlantic Canada, CA)

★カナダのNoerthumberland海峡の窒素の95%がプリンスエドワード島から流入していることが、研究者と学生の調査チームの4年間にわたる研究によって判明した。さらに、そのうち91%が同島の農業由来、うち57%がジャガイモ業由来(全体の49%)であった。プリンスエドワード島ポテト協会のDonald氏は、土や排水の管理努力をしており、2010年から窒素濃度は下がっていると主張する。また、同協会では「4R施肥推進運動」(適肥、適地、適量、適期に対応した肥料の施用を促す運動)も実施しており、特に環境改善になるような科学的な情報に対して興味を持っている、と話した。窒素濃度の上昇は無酸素状態の原因となり、ムラサキイガイ、カキ、ウナギなどに影響を及ぼす。
 プリンスエドワード島大学内のカナダ河川研究所(Canadian Rivers 
Institute:山岡訳)Van den Heuvel氏は、「窒素濃度の規制を厳しくすべきだ。農地の削減や、より良い栄養管理でより良い収穫量を得る方法などできる事は沢山ある」と語る。
 同研究チームは、堆積物についても調査を行ったが、どれくらいの量がどこから出ているのかについてはまだわかっていないという。同水域の河川では赤変が問題となっている。
“Most nitrates in Northumberland Strait are coming from P.E.I., 
researchers say”(Journal Pioneer, CA)
“Research finds most nitrates in Northumberland Strait come from P.E.I.”(The Guardian、CA)
”Nitrates threaten Strait?””(The Guardian、CA)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月10日)

★アメリカでシラスウナギの漁獲規制を緩和
アメリカのメイン州のシラスウナギ漁は大西洋沿岸州海洋漁業委員会により、9,
688ポンド(約4400kg)が割当られているが、実際の採捕数は5,259ポンド(約2390kg)にとどまっている。
 しかし、土曜日、同州のシラスウナギ採捕組合(MEFA: Maine Elver 
Fishermen Association・山岡訳) の年次集会があり、海洋資源委員課(Department of Marine Resources Commissioner・山岡訳)から採捕に関する法律の改正の知らせがあった。同課のKeliher氏は、改正が割当量を満たす良い機会であり、合衆国とメーン州の4部族政府との衝突を減らすのではないかと期待する。
 改正内容は、
(1) 採捕期間の延長(5/31〜7/7から3/22〜7/7に延長)
(2) 毎日採捕が可能になった(改正前は、保護基準により週末は禁止されていた)
(3) 採捕期間前に実施していた48時間の閉鎖を任意に(潮の流れや同産業に与える影響を最小限にとどめるため行っていたが、2014年から導入された割当制のため必ずしも行わなければならないものではなくなった)
(4) 漁具の選択が可能になった(許可を持つ漁業者は、採捕期間前に袋網(fyke net)かすくい網(dip net)かを選択できるようになった。ただし、漁具を増やすことは認められていない。)
(5) Penobscotネーション、Passamaquoddy族、Houlton Band of Maliseetインディアンの採捕許可数の改変。
 同日には、MEFAと、ペンシルベニアを拠点とするアメリカウナギ持続可能協会(ASEA: American Eel Sustainability Association・山岡訳)との合併賛否を問う投票も行われた。ASEA理事のFeigenbaum氏は、合併すれば、漁業管理規定者や、アメリカウナギは絶滅危惧種だと訴える保護団体の前に、より大きな声を上げられるだろうと話す。
 また、メイン州は、個別漁獲割当制度を制定し、漁獲枠を他の高価値資源と同じように売却や相続できるようにした。この制度により、漁業者は割り当てられた漁獲枠の「潜在的な価値を開放」して利益を得る事ができる。
“Elver fishermen unite as tribes agree to new rules” (The Ellsworth American, US)

★三島市内の飲食店24店からなる「三島うなぎ横町町内会」が9日、ウナギの資源回復を祈り、三嶋大社の神池に40匹ウナギを放流した。同池や市内河川にはかつてはウナギが多く生息しており、江戸時代までウナギは三嶋大明神の使いだとされ、地元では食べられていなかった。
”ウナギの資源回復祈り40匹放流”(中日新聞、日本)
“ウナギに感謝、40匹放流 三島うなぎ横町町内会”(静岡新聞SBS、日本)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月9日)

★徳島県吉野川河口付近で8日未明、シラスウナギ漁に出かけた男性の転覆した船が見つかった。7日の21時半頃に電話で救助要請があったが、男性はその後見つかっていない。
“船が転覆 所有者の男性 行方不明(徳島県)”(日テレNEWS24,日本)

★香港の税関は、7日、63kg分のヨーロッパウナギと46kg分のシュモクザメの乾燥ヒレを女性二人の手荷物から押収した。女性らはトルコ経由でスペインから入国した。税関がヨーロッパウナギを空港利用客から押収するのは今年で4回目。無許可輸入者に対しては500万香港ドルの罰金と2年の禁固刑が科される。
 NGOのWildAidのHofford氏は、「他の絶滅危惧種の託送品等が税関の目をすり抜けているのではないか、香港政府がより重い刑罰を科し、香港と中国本土での消費を減らすよう国民に緊急呼びかけを行う事を勧める」と話した。

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“Customs seize 63kg of European eels and 46kg of hammerhead shark fin from check-in luggage” (Coconuts Hong Kong, HK)
“Shark fins and eels seized at HK airport, two women arrested” (Hong Kong Free Post, HK)

★1968年ロンドンにあったCockneylandという商業施設ではジェリードイール(うなぎのゼリー寄せ)が提供されていた。
”VIDEO: Visit ‘Cockneyland’ in 1968 Petticoat Lane”(London24, UK)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月8日)

★ニホンウナギの保護のための、日中韓台4か国での協議が滞っている。各国での利権争いが障害となり、日本対他3国でどちらがイニシアチブを取るかが決まっていない。中国と台湾は、自ら規制をかける事による国内への影響を懸念している。昨年9月に行われる予定だった会議もまだ開催目途が立っていない。
“East Asian deal on eel conservation remains elusive”(Nikkei Asian Review, 日本)

★シドニー北西のDevlins川で、ウナギなどの魚類がヘドロや油の中で死んでいるのが2/29に見つかり、環境保護局が原因調査を行っている。ある地元住民は、2013年8月から始まった、Epping〜Thornleigh間での鉄道敷設工事が原因ではないかと見ている。この工事は、シドニー〜ニューキャッスル間を結ぶMain North線改良を目的とした北西シドニー鉄道建設プログラムの中でも重要な区域であり、もうすぐ完成する。
 ニューサウスウェールズ州によると、工事に伴う排水に関しては、事業チームが毎日モニタリングを行っており、環境保護局が定期的に調査している。当局では、調査中に腐敗したウナギが見つかったものの、原因の可能性のある汚染源は見つからなかったとしている。
“Dead fish and eels at Devlins Creek prompt EPA investigation into pollution” (The Sydney Morning Herald, AU)

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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月7日)

★鹿児島県のシラスウナギ漁の不漁が続いている。昨年12/15〜行われているが、先月末時点で昨シーズンの45%に留まっている。
“シラスウナギ漁 県内不漁が続く(鹿児島県)” (日テレNEWS24、日本)

★香港税関で、男女二人組からウナギ91kg分押収。二人はアムステルダム、マドリードを経由してビゴ(スペイン)から入国。
(注:ヨーロッパウナギを香港経由で東アジアのいずれかの国に密輸しようとしていたと考えられる)
“Travelers held for carrying endangered eels in luggage” (The Standard, 香港)

★アメリカのコネチカット川流域協議会は、アメリカ合衆国魚類野生生物局と共同で、Coginchaug川、Higganum川、Moodus川等における回遊魚の個体数のデータを集めるため、「市民科学者(citizen scirntist)」の研修会を3/23に行う。市民科学者はボランティアで、4/1〜6/30まで指定河川で週3回15〜30分、川を歩いてモニタリングを行う。モニタリングの内容は、対象魚の有無の確認、存在を証明するものの収集(卵、鱗、死骸、捕食者の鳥類など)、地域住民からの聞き取り調査。
コネチカット州エネルギー・環境保護部内水面漁業課のGephard氏は、「情報が不足している、職員減少に伴いモニタリングプログラムの予算が削られている」と指摘する。同課では、3〜11月までの6か月間、アメリカウナギやタイセイヨウサケなどを対象とした、期間限定の「回遊魚プログラム」も実施する。活動内容は、魚道(ウナギ用も含め)のモニタリング、Herring、Shad、マスの維持、0歳のアメリカウナギの生物試料の収集と加工、電動魚類計数器のチェックとメンテナンス、魚道のデータ収集、河川での電気漁等。このプログラムは、生息域の状況把握のために毎春行われている。
“Middletown training session will teach ‘citizen scientists’ to track herring”(The Middletown Press, US)

★アメリカのBarnegat湾で、キスイガメやアメリカウナギ等海洋生物の死亡やボートの破損の原因となっている、投棄カニかご(crab pot)・漁具の対策として、2年間の官民共同リサイクルプロジェクト「Fisihing for Energy Project」が始まる。アメリカ海洋大気庁が補助金109,619$を出資、ニュージャージーの野生生物保護基金が主導で、大学やカニ業者なども参加する。加工はニュージャージーを拠点とするCovanta社。プロジェクトの目標は、「Brick郡区〜Stafford郡区間の漁具1000個分の除去」で、同様のプロジェクトが、Great湾、Mullica川で2年前にStockton大学により行われており、のちにChesapeake湾清掃活動のモデルとなった。
野生生物保護基金によると、ニュージャージーでは7-8月には385,000人の遊漁者が訪れるが、遺棄されたカゴの数は正確には把握されていない(地元漁業者によると年10%)。しかし、同州の海洋漁業局も本プロジェクトにより、投棄漁具の報告システムを考案することになった。また、予防策や遊漁者への教育も必要だと同局では話す。
Covanta社では金属破砕機や巨大磁石を用いる施設もあるが、漁具は網や金属などが混在しているため、分離は手作業で行われる。チェーンソー等が必要な時もあり労力を要するが、最終的には金属以外の物質は全て燃焼させ、金属だけが取り出される。同社では2008年からアメリカの西、東両方の港から投棄漁具を収集しており、その量は300万ポンド(約136万kg)、2200世帯が約1か月間分使用する電力量に相当するという。
“Trappings of Energy to Clear Barnegat Bay”(The Sandpaper.net, US)

「日刊 世界のウナギニュース」
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日刊 世界のウナギニュース(2016年3月4日)

★2/29に日本でも報道された近大とマレーシアのサバ大学で共同の水産研究所を開設したニュースが、イギリスでも報道された。
近代ウナギへ布石、水産研が初の海外拠点 マレーシアに(朝日新聞)
“Malaysia, Japan Cooperate on Aquaculture Techniques”(The Fish Site, UK)

★スペイン南東部Murcia州のSegura川清掃プロジェクトが、Intenational River 
Foundationから2015年ヨーロッパ河川賞を受賞。Segura川は2000年代初頭にはヨーロッパでもっとも汚い川の一つとされていたが、Segura川水利連合(Confederación Hidrográfica del Segura)と自治体により10年以上浄化活動がなされていた。河川水は、浄化・再利用装置により、灌水に利用されるまでになり、ウナギやカワウソも戻って来るかも知れない、としている。
”River Segura clean^up project competes for European Prize”(Murcia 
Today,Spain)

★カナダ・アメリカの五大湖の一つ、Sperior湖で外来種であるヤツメウナギの数が増え続けており、対策が必要だと専門家がコメントしている。同湖ではヤツメウナギにより、マスや他の魚種が殺されており、五大湖漁業委員会は今夏にも、産卵河川にヤツメウナギ駆除剤3‐トリフルオロメチル‐4‐ニトロフェノール(TFM:3-trifluoromethyl-4-nitrophenol)を使い、現在4万〜6万匹いるとされる個体数を半減させる予定。近年、ヤツメウナギ対策はHuron湖とMichigan湖で重点的に行われ、成果がみられている。
(注:ヤツメウナギは、ウナギ属魚類とは全く別の生物グループに属します)
“Blood-sucking lamprey eel numbers increasing in Lake Superior” (CBC 
News Thunder Bay, Canada)

日刊 世界のウナギニュース(2016年3月3日)

★イギリスのJames池で、3月2日、漁師、行政職員、一般市民らがシャベルで堆積物を除去した。ヘリングやウナギのために、堆積物で狭まっていた水路を拡大する。申請していた掘削機の使用許可も下りたため、今後残りの場所で使われる。
“Many Hands (and Shovels) Make Wet Work at James Pond” (Vineyard Gazette,
UK)
https://vineyardgazette.com/news/2016/03/02/many-hands-and-shovels-make-wet-work-james-pond

日刊 世界のウナギニュース(2016年3月2日)

★Motcombe池の質改善
イギリスのEastbourne Bourough州にあるMotcombe池は、大量のシルトが堆積しており溶存酸素が少なかった。また水の流れが緩やかで藻類が増加していたため、州では生態学の専門家等と協働してシルトの除去作業を行った。作業の前に一旦、池内のすべての魚類を移した際、多くのウナギが発見された。除去作業は2/24で完了しており、3/11までには一般に再開放される。
“Motcombe Pond will be ‘oasis’ for wildlife”
http://www.eastbourneherald.co.uk/news/local/motcombe-pond-will-be-oasis-for-wildlife-1-7241277