★鹿児島県のシラスウナギ漁の不漁が続いている。昨年12/15〜行われているが、先月末時点で昨シーズンの45%に留まっている。
“シラスウナギ漁 県内不漁が続く(鹿児島県)” (日テレNEWS24、日本)
★香港税関で、男女二人組からウナギ91kg分押収。二人はアムステルダム、マドリードを経由してビゴ(スペイン)から入国。
(注:ヨーロッパウナギを香港経由で東アジアのいずれかの国に密輸しようとしていたと考えられる)
“Travelers held for carrying endangered eels in luggage” (The Standard, 香港)
★アメリカのコネチカット川流域協議会は、アメリカ合衆国魚類野生生物局と共同で、Coginchaug川、Higganum川、Moodus川等における回遊魚の個体数のデータを集めるため、「市民科学者(citizen scirntist)」の研修会を3/23に行う。市民科学者はボランティアで、4/1〜6/30まで指定河川で週3回15〜30分、川を歩いてモニタリングを行う。モニタリングの内容は、対象魚の有無の確認、存在を証明するものの収集(卵、鱗、死骸、捕食者の鳥類など)、地域住民からの聞き取り調査。
コネチカット州エネルギー・環境保護部内水面漁業課のGephard氏は、「情報が不足している、職員減少に伴いモニタリングプログラムの予算が削られている」と指摘する。同課では、3〜11月までの6か月間、アメリカウナギやタイセイヨウサケなどを対象とした、期間限定の「回遊魚プログラム」も実施する。活動内容は、魚道(ウナギ用も含め)のモニタリング、Herring、Shad、マスの維持、0歳のアメリカウナギの生物試料の収集と加工、電動魚類計数器のチェックとメンテナンス、魚道のデータ収集、河川での電気漁等。このプログラムは、生息域の状況把握のために毎春行われている。
“Middletown training session will teach ‘citizen scientists’ to track herring”(The Middletown Press, US)
★アメリカのBarnegat湾で、キスイガメやアメリカウナギ等海洋生物の死亡やボートの破損の原因となっている、投棄カニかご(crab pot)・漁具の対策として、2年間の官民共同リサイクルプロジェクト「Fisihing for Energy Project」が始まる。アメリカ海洋大気庁が補助金109,619$を出資、ニュージャージーの野生生物保護基金が主導で、大学やカニ業者なども参加する。加工はニュージャージーを拠点とするCovanta社。プロジェクトの目標は、「Brick郡区〜Stafford郡区間の漁具1000個分の除去」で、同様のプロジェクトが、Great湾、Mullica川で2年前にStockton大学により行われており、のちにChesapeake湾清掃活動のモデルとなった。
野生生物保護基金によると、ニュージャージーでは7-8月には385,000人の遊漁者が訪れるが、遺棄されたカゴの数は正確には把握されていない(地元漁業者によると年10%)。しかし、同州の海洋漁業局も本プロジェクトにより、投棄漁具の報告システムを考案することになった。また、予防策や遊漁者への教育も必要だと同局では話す。
Covanta社では金属破砕機や巨大磁石を用いる施設もあるが、漁具は網や金属などが混在しているため、分離は手作業で行われる。チェーンソー等が必要な時もあり労力を要するが、最終的には金属以外の物質は全て燃焼させ、金属だけが取り出される。同社では2008年からアメリカの西、東両方の港から投棄漁具を収集しており、その量は300万ポンド(約136万kg)、2200世帯が約1か月間分使用する電力量に相当するという。
“Trappings of Energy to Clear Barnegat Bay”(The Sandpaper.net, US)
「日刊 世界のウナギニュース」
平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。