★カナダ ケベック州初のウナギの移送
カナダのケベック州Saint-Anacletの湖で水曜日、森林野生動物公園省(
Le ministère des Forêts, de la Faune et des Parcs、山岡訳) により同州初
となる、川から湖へのウナギの移送が行われた。この日は300匹が移送されたが、今夏の終わりまでには1万匹が移される予定だ。生物学者のVerreault氏はダムなどによりウナギが移動できなくなっていると指摘した。この事業は藍藻の大量発生対策も目的とされている。
“300 anguilles de rivière dans le lac à l’Anguille” (Ici Radio-Canada, CA)
http://ici.radio-canada.ca/regions/est-quebec/2016/07/27/011-anguilles-lac-st-anaclet-mffp-ensemencement.shtml
★モロッコから中国へ ヨーロッパウナギ続々輸入
中国福建省の三明市に初めてヨーロッパウナギの稚魚16万匹がモロッコから輸入された。今後の入荷分を合わせて、計584万匹が輸入されるという。ウナギは同市の主な輸出品であり、2016年の上半期では輸出額が2,864万$に上った。
“Fujian Sanming first import of 160,000 seedlings European eel” (Ocean-
Fortune, CN)
http://www.ocean-fortune.com/Item/16978.aspx
★スペインにおけるヨーロッパウナギの分布の歴史
The Sustainable Eel Groupが、スペインのイベリア半島におけるヨーロッパウ
ナギの歴史的に見た分布の再構築を行った論文を紹介している。論文では、ウナギは同半島に広く分布していたが、その80%が主にダムによる海と川の連続性の断絶により減少した事などが示されている。
“OURNAL OF APPLIED ECOLOGY – HISTORICAL DATA TO PLAN THE RECOVERY OF THE
EUROPEAN EEL” (SEG, UK)
http://www.sustainableeelgroup.org/wp-content/uploads/2016/07/Clavero_et_al-2015-Journal_of_Applied_Ecology.pdf
★英Cardiff市初の水力発電所、稼働へ
イギリス南部ウェールズのCardiff市のTaff川で、同市では初となる水力発電所
が稼働した。発動量は年間180万kWhで、785tの二酸化炭素排出が抑えられるという。タービンの付近には、ウェールズ政府支援機関であるNatural Resources Walesの協力のもと、ウナギなどを対象とした魚道も設置された。
“Cardiff gets a bit greener today as city’s first hydro-electric scheme
starts work” (Wales Online, UK)
http://www.walesonline.co.uk/news/local-news/cardiff-gets-bit-greener-today-11663998
★究極のペットフード
ニュージーランドの大手ペットフード会社、Addiction Foods社の製品にはイヌやネコの健康を考慮し、ニュージーランド産のシカ、サケ、ウナギ、有袋類などが用いられている。同社によると、例えばサケはアメリカのMontrey湾水族館によるSeafood Watch(一般消費者向けに魚種の持続可能性を示すガイドライン)で利用が承認されているものである等、原材料は持続可能でかつエシカルなものを使用しているという。
“Addiction Pet Foods’ “Ends of the Earth” Contest Celebrates
Extraordinary Stories of Pet Dedication” (PR Newswire, US)
http://www.prnewswire.com/news-releases/addiction-pet-foods-ends-of-the-earth-contest-celebrates-extraordinary-stories-of-pet-dedication-300304592.html
同社の製品例:うなぎと海藻のアントレ(ネコ用)
https://www.addictionfoods.com/products/cat-formulas/canned/unagi-seaweed-entree
★土用丑の日直前 ニホンウナギの現状にも焦点
明後日30日は土用丑の日という事で、食品としてのうなぎや代替品のナマズが注目を浴びているが、ニホンウナギの現状についても一部で焦点が当てられている。WEDGE Infinityは、日本の市場に流通するうなぎが中国や台湾から香港経由で密輸されたもの、また、ヨーロッパウナギも含まれているという実態を挙げ、北海道新聞は、依然として資源が危機的な状況であり日本が資源管理を率先して行っていくべきとする社説を掲載している。
“土用の丑の日はいらない、ウナギ密輸の実態を暴く” (WEDGE Infinity、日本)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7379
“ニホンウナギ いつまで食べられるか” (北海道新聞、日本)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0069231.html
「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。