ウナギの研究もはかどる? 環境DNA分析へ期待(日刊 世界のウナギニュース2016年8月2日)

★ウナギの研究もはかどる? 環境DNA分析へ期待
水中に含まれる生物の分泌物などからその生物のDNAを分析する環境DNA分析という手法が生物学者らの注目を浴びている。この手法ではサンプル採集が水だけで済み、自然環境から直接DNAが入手できるため、現在の方法よりも早く、簡単に、安く調査が行えると考えられている。ニューヨーク市立大学ヨーク校では現在、研究対象のアメリカウナギの河川の有無確認にうなぎモップ(eel mop、山岡訳。シラスウナギの隠れ家となるような人工物。)を使用しているが、環境DNAを用いれば、ウナギから分泌される粘液で有無が判別できる可能性があるとみている。
“Fishing for DNA” (Science Line, US)
http://scienceline.org/2016/08/fishing-for-dna/
うなぎモップ:http://www.dec.ny.gov/docs/remediation_hudson_pdf/eelmop.pdf

★無駄なダムは撤去を スウェーデンの環境保護団体ら訴え
スウェーデンの環境保護団体とスポーツフィッシング団体がウナギや魚が急減していると政府に対して警鐘を鳴らしている。同国はヨーロッパの中でも水量が多い国の一つであり、国内の殆どの河川にダムや発電所が設置されている。魚道も2000か所に付設されているが、そのうちの2%しか機能していないという。また少なくとも1000基は国内全体の発電量の0.25%にしか相当していないため、撤去しても問題はないはずだと主張している。
“Ål och lax försvinner i rasande fart” (Din åsikt, SE)
http://www.blt.se/din-asikt/al-och-lax-forsvinner-i-rasande-fart/

★密漁、デンマークでも
先月31日、デンマーク南部のStrynøで違法のウナギ用の網が23枚押収された。デンマークでは5/10~7/31まで禁漁期となっており、容疑者3人には2500~5000DKK(約4~7万6千円)の罰金と6~12か月の禁漁が課せられる。
“Fiskerikontrol fanger 23 ulovlige åleruser” (fyens.dk, DK)
http://www.fyens.dk/langeland/Fiskerikontrol-fanger-23-ulovlige-aaleruser/artikel/3041322

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

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