静岡県 次漁期からシラスウナギ流通規制強化へ(日刊 世界のウナギニュース2016年9月30日)

★静岡県 次漁期からシラスウナギ流通規制強化へ
静岡県海区漁業調整委員会で29日、シラスウナギの不正所持、移動の規制強化策が了承された。これにより今後採捕者に対し、漁の終了報告、一時保管場所等や運搬代理人について事前届出が義務付けられ、違反した場合は採捕権のはく奪等の罰則が科される。12月の次漁期から適用される見通し。一時保管場所についてはこれまで、採捕者が都合により指定集荷人に直接手渡せない場合、自宅などで一時保管または他者が運搬して良い事になっていたが、今回県が、流通の透明さを欠く原因になるとして指摘した。委員からは採捕者個人ではなく組合の連帯責任にする提案されるなど、厳しい姿勢が見られた。
“ウナギ稚魚、流通透明化へ規制強化 静岡海区漁業調整委” (静岡新聞@SBS、日本)
http://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/unagi/286876.html

★ニュージーランド南島 ウナギの魚種別規制へ
ニュージーランドの省のGuy第一次産業大臣がこのほど持続可能性に関する施策と管理について見直し、まず初めに10/1から南島でのウナギの漁獲可能量をlongfin eelとshortfin eelとで分けると発表した。南カンタベリーでは新しく、漁業目的のlongfin eelに対しては1tが割り当てられる。今回の決定は昨年に完了した南島の資源評価に基づいてなされたが、2018-19年に行われるさらなる評価で新しい漁獲可能量が政府目標を達成しているかを審査し、必要であれば再調整が行われる。これに対し南島のうなぎ業界の環境コンサルタントChisholm氏は、以前の漁獲可能量は両種合わせて35tだった、新しい量の1tは1000匹にしかならず事実上longfin eelの禁漁だ、今回の判断は柔軟性に欠け、緑の党への懐柔であり、科学的根拠についても考慮されていないと批判した。業界で反対運動をする事も考えたが、資金繰りはできなかったという。
“Revised quotas for eel catches in South Canterbury may put exporters out of business” (stuff, NZ)
http://www.stuff.co.nz/business/84733888/revised-quotas-for-eel-catches-in-south-canterbury-may-put-exporters-out-of-business

★バハマ、ハミルトン宣言署名
29日までにバハマのMitchell外務・移民大臣がハミルトン宣言(The Hamilton Declaration、山岡訳)に署名した。この宣言はバミューダ諸島政府とサルガッソ海委員会(The Sargasso Sea Commission、山岡訳)とで、アメリカウナギやヨーロッパウナギの産卵地などとして知られている同海域の保護を行うとするもの。拘束力はもたないが、バミューダ諸島政府は委員会に対し、継続的な評価の下、サルガッソ海の健全性、生産性、回復力を保持させなければならないとしている。委員会は研究者や公海の生態系の保全に関して国際的に評価されている者で構成され、他の署名国間での協議後にバミューダ諸島政府から指名される。この宣言は2014年3月にアゾレス諸島、バミューダ諸島、モナコ、イギリス、アメリカとで署名されたのが始まりで、今年1月には英領ヴァージン諸島が署名し、今回で7か国目となった。
“Sargasso: Bahamas Signs Hamilton Declaration” (Bernews, BM)
http://bernews.com/2016/09/trust-welcomes-boa-plans-for-olympic-wall/
宣言の詳細等はこちら:http://www.sargassoseacommission.org/about-the-commission/hamilton-declaration

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

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