★EC、欧州刑事警察機構など ヨーロッパウナギのアジア向け違法取引を懸念ベルギーのブリュッセルで8日、「野生生物の不正取引に対するEUアクションプランの伝達と実行に関するワークショップ」(Workshop on Delivering and Enforcing the EU Action Plan against Wildlife Trafficking、山岡訳)が開かれた。欧州委員会、トラフィック、欧州刑事警察機構など7組織が発表を行い、うち3つがヨーロッパからアジアへのヨーロッパウナギの違法取引に関するものだった。これは、ヨーロッパウナギの違法取引対策の優先順位をつける、EUアクションプランに反映される。
“ILLEGAL TRADE IN EUROPEAN EELS HIGHLIGHTED BY THE EUROPEAN COMMISSION” (SEG, UK)
http://www.sustainableeelgroup.org/2016/09/09/illegal-trade-in-european-eels-highlighted-by-the-european-commission/
★SEG、活動目標発表
Sustainable Eel Group (SEG)は13日、活動目標とステップ(Theory of Change)を発表した。活動目標は、「健全な天然のウナギ個体群」、つまり、ウナギが、水圏生態系における役割を果たし、地域社会や経済、伝統にとって利益となる持続可能な利用のレベルにまで、本来の成育域に分布している状態にある事を掲げた。また、目標達成のためには、(SEGが)全ての利益を公平で効率的なプロセスにつなげ、EU諸国やそれ以外の国とでウナギの保全と管理ができるようになり、さらにそれを促進させるようなリーダーシップ連盟となる事だとしている。
“SEG DEFINING THE INTENDED CHANGE (THEORY OF CHANGE MODEL)” (SEG, UK)
http://www.sustainableeelgroup.org/2016/09/13/seg-defining-the-intended-change-theory-of-change-model/
★EMPの効果、見えるのはまだ先 デンマークの研究者
「(ヨーロッパウナギは)2013,2014年にはわずかに加入量の増加が見られたが、2015年には再び減少に転じた。増加傾向にあると言うには5-6年以上は必要だ。」こう話すのはデンマーク技術大学のKim Aarestrup研究員だ。デンマークでは2009年のEMP開始以来放流が行われており、その手法も現在では当初より系統立てられている。ただ、ウナギの減少には成育環境の減少や寄生虫など様々な要因があるとされ、さらに各要因がウナギに及ぼす影響の程度もまだ明らかになっていない。同研究員は、EMPの効果は、ウナギが性成熟するまでにかかる年月(5~25年)を考慮すると今判断するには早いと見ている。また、条件が多いがおそらく80-100年後にはかなり回復するだろうと話した。
*記事の下の図は今年放流された場所と数(計150万匹)。場所は大まか。緑は川、黄色は湖、赤は海や沿岸を指す。
“Ålen er alligevel ikke ål-right” (Århus Striftstidende, DK)
http://stiften.dk/regionen/aalen-er-alligevel-ikke-aal-right
★フランスでウナギなど大量死
フランス南東部Capestangの池や川でウナギを含む数千匹の魚が死んでいるのが漁業者により発見された。原因は今夏の干ばつや、5年に1度行われる植物の再成長を促進させるために行われる排水だと見られている。排水に関しては、漁業者が警鐘を鳴らしていたが、土地管理上の理由からやむなく行われた。
“Des milliers de poissons morts dans le canal et l’étang de Capestang” (franceinfo Languedoc-Roussillon, FR)
http://france3-regions.francetvinfo.fr/languedoc-roussillon/herault/des-milliers-de-poissons-morts-dans-le-canal-et-l-etang-de-capestang-1084857.html
「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。