香港の野生生物取引 関係当局が初議論(日刊 世界のウナギニュース2016年8月26日)

★香港の野生生物取引 関係当局が初議論
香港の漁農自然護理署(漁護署)、環境局、香港警方及香港海關の代表らが25日、初めて会合を開き、ゾウ、サイ、ヨーロッパウナギ等特に注意すべき種について議論した。漁護署は香港海關、警察と共に、絶滅危惧種保護連絡グループ(Endangered Species Protection Liaison Group/保護瀕危物種聯絡小組、山岡訳)の一員として絶滅危惧種の違法取引を取り締まっており、今後もグループではCITES記載種や自国の野生生物の保全義務を継続すると話した。また、密漁(猟)、密輸や違法取引などに対し、他国や国際的な機関と協力体制をとるという。
“Inter-departmental Task Force on Wildlife Crime holds first meeting (with photo)” (香港政府、香港)
http://www.info.gov.hk/gia/general/201608/25/P2016082400515.htm?fontSize=1
絶滅危惧種保護連絡グループの情報元:
https://www.afcd.gov.hk/english/publications/publications_press/pr358.html

 

★スウェーデンでウナギ稚魚7万5千匹放流
スウェーデン南東部Östergötland地方のStångån川でウナギの稚魚7万5千匹が放流された。元はイギリス南西部のSevern川で採捕され、その後、スウェーデン南部のHelsingborgで検疫を受けた後、Östergötlandの6か所に分けられたもの。スウェーデンでは昨夏、33万匹の稚魚がGöta川など4か所の河川から北海へ移送する試みもなされた。技術局(Tekniska Verken、山岡訳)のIngvarsson氏は、毎年放流に70万SEK(約840万円)かけているので効果がでると良い、ウナギの生残率を上げるためにダムの下流側に放したいがダムや漁業者を優先した古い制度により阻害されているため今後漁業者や自治体、電力会社と協力していきたいと話した。
“75 000 ålyngel vid Johannelunds badplats” (Corren.se, SE)
http://www.corren.se/nyheter/linkoping/75-000-alyngel-vid-johannelunds-badplats-om4266015.aspx

★魚肉・魚油用漁業、60%以上が管理不適切
持続可能な漁業グループ(Sustainable Fisheries Partnership, SFP)は22日、魚肉や魚油に利用するための魚種を漁獲する漁業(reduction fisheries)のうち主な20漁業について、持続可能性に関する年次概況報告書を発表し、60%未満が適切な管理状態にない事が判明した。(ただしアジアについてはデータ不足のため含まれていない)SFPの戦略ディレクターLee-Harwood氏は、この状態は近年改善されないままで、地域によっては改善意欲が無いように思われる。少なくとも2つの漁業で改善傾向が見られ、2つがMSC基準を取得し、6つがMSCの全審査通過したのは良かったと話した。
“SFP publishes annual sustainability overview of reduction fisheries” (Sustainable Fisheries Partnership, US)
https://www.sustainablefish.org/news/articles/2016/08/22/sfp-publishes-annual-sustainability-overview-of-reduction-fisheries

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

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