ウナギ密漁反対キャンペーン実施中 スウェーデン(日刊 世界のウナギニュース2016年8月19日)

★ウナギ密漁反対キャンペーン実施中 スウェーデン
スウェーデンでは密漁対策として監視などが行われているが、密漁者が逮捕された事がないなど、効果があまり見られていない。そのためMiljösamverkan Sverige(スウェーデン環境パートナーシップ、山岡訳)は”Fråga alltid om ålens ursprung”(ウナギの原産地常時確認、山岡訳)キャンペーンが行われている。このキャンペーンでは、LinkedInやFacebookを通して関係業者、レストラン経営者、消費者にウナギ漁に関する注意を促すほか、購入したウナギが合法的に捕獲されたものかどうかの証明も依頼できる。
“Ny kampanj ska stävja tjuvfiske” (Kristianstadsbladet, SE)
http://www.kristianstadsbladet.se/kristianstad/ny-kampanj-ska-stavja-tjuvfiske/
Miljösamverkan Sverige:
http://www.miljosamverkansverige.se/sv/pages/default.aspx

★スウェーデンで10万匹放流
12日、スウェーデンの北海に面したKullabergでウナギ10万匹が放流された。ウナギはイギリスで採捕され、検疫と飼育を90日間受けたもの。この地域の付近の自治体では、放流場所に適した場所の評価を調査しているという。
“100 000 ålar släpptes ut i det fria” (HD, SE)
http://www.hd.se/2016-08-12/100-000-alar-slapptes-ut-i-det-fria

★デンマークで1万匹放流
デンマーク南部Fyn島のFaaborgでウナギの稚魚1万匹が放流された。遊漁団体が出資した。ウナギは1月にポルトガルから輸送され、3.5gになるまで育てられた。同島では先週にも37万5千匹が放流されている。
“Fiskerne satte 10.000 småål ud ved Faaborg” (fyens.dk, DK)
http://www.fyens.dk/faaborg-midtfyn/Fiskerne-satte-10000-smaaaal-ud-ved-Faaborg/artikel/3047643

★アメリカウナギのシンポ議事録公表
今年1月にアメリカで開かれていたアメリカウナギに関するシンポジウムの第2部の議事録が11日、公表された。この部ではアメリカウナギの社会経済学的、文化的重要性について議論されたようだ。
“American Eel: A Symposium. Session Two” (Ocean and Coasltal Law Journal, US)
http://digitalcommons.mainelaw.maine.edu/oclj/vol21/iss1/5/
http://digitalcommons.mainelaw.maine.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1325&context=oclj

★ニュージーランド 漁業者間で危機感に差
ニュージ―ランドの最近の調査によると、水質悪化と過剰な漁獲によりshortfin、longfin eelとシラス(5種の異なる魚種の稚魚の総称)の資源が2050年までになくなると予想されている。危機を認識している漁業者もいる一方で、ウナギは沢山いる、また、シラスの中の1種しか漁獲量の変化はないと捉える漁業者もいるようだ。ニュージーランドのTV番組Seven Sharpによると、1990年には在来魚種40種のうち20%が絶滅の危機に瀕していたが、現在は75%にのぼっている。
“Warning that NZ’s precious whitebait and long-fin eel stocks could be gone by 2050” (TVNZ, NZ)
https://www.tvnz.co.nz/one-news/new-zealand/warning-nzs-precious-whitebait-and-long-fin-eel-stocks-could-gone-2050

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

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