ウナギの本が発売されました

2016年4月1日、ウナギの本が発売されました。
「ウナギのいる川 いない川」内山りゅう(著) 楫善継(監修)ポプラ社

近年多く出版されている生態解説の本とは異なり、生息環境に焦点をあてた画期的な本です。フルカラーで写真が多く、ウナギの生態写真集と言っても良いでしょう。「ウナギを守りたいけどどうしたら良いのか分からない」という声を良く聞きますが、この本を読み、写真にあるような環境を目指して河川や沿岸域の環境の再生を進めてはいかがでしょうか。なお、局所環境の再生を行う場合、海と川のつながりが確保されていることが大前提になります。天然のウナギが遡上できなければ、局所的な環境を改善しても意味がないためです。

子どもでも大人でも楽しめる一冊は、ウナギの保全と持続的利用を進める一助になるでしょう。これまであまり多く発表されて来なかったニホンウナギの生態写真、特に日中物陰に隠れる習性を持つ本種の昼間の姿を捉えた写真が多く収蔵されていることは、生態の研究をしている人間の一人として本当にすごいと思います。ぜひ一読を。

海部

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