ヨーロッパウナギは管理できていない 専門家が警告 スウェーデン(日刊 世界のウナギニュース2016年9月28日)

★ヨーロッパウナギは管理できていない 専門家が警告 スウェーデン
スウェーデン農業大学のDekker博士がヨーロッパウナギ管理について、EU各国で計画が立てられているがほとんどの国で実践されていない、保全策を進め行き詰まっている現状を打破する努力がなされるべきとICES Journal of Marine Scienceで述べている。同氏はまた、現在の保全策ではヨーロッパ全体をカバーできていないし、地中海やバルト海などの計画には穴がある事を指摘し、おそらく今後現状は改善しないだろう、自分たちの現状を明確にすべきと話した。
“Vi tappar greppet om ålförvaltningen, varnar forskare” (SLU, SE)
http://www.slu.se/ew-nyheter/2016/9/vi-tappar-greppet-om-alforvaltningen-varnar-forskare/

★自家発電フィッシュタグ開発 アメリカ
アメリカの太平洋北西国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory)のZhiqun “Daniel” Deng研究員らのチームが魚の動きを動力源にしたフィッシュタグを開発した。フィッシュタグはこれまでバッテリーの電源がなくなるまでが使用期限となっていたが、今回の開発により、魚が泳ぎ続ける限りトラッキングができるようになるため、ウナギなど回遊魚の移動調査に利用できる可能性がある。チームではフィッシュタグの寿命を延ばす方法を10年以上研究しており、今回のタグには新しく圧電発電装置を採用。タグは来年、コロンビア州とワシントン州のSnake川でのチョウザメの研究に使用される予定だ。研究チームは、最適な設置場所やサイズなど今後も実験を行いたいとしている。
“Self-powered fish tag tracks fish for as long as they swim “ (treehunger, US)
http://www.treehugger.com/gadgets/self-powered-fish-tag-tracks-fish-long-they-swim.html

★アボリジニの岩絵 崩壊の危機 オーストラリア
オーストラリア北東部クイーンズランド州ヨーク岬半島にある、Quinkan の岩絵が崩壊の危機にさらされている。岩絵の一部には1万年ほど前に描かれたウナギ、カンガルー等が描かれており、世界で最も重要な岩絵の1つとして知られている。岩絵は砂岩の断崖に描かれており壊れやすい。しかし、州が、先住民による付近のLaura川での金の採掘を許可し、これに対し土地所有者や同川の地域住民らが反対の声を上げている。採掘には、天然資源鉱山局(Department of Natural Resources and Mines、山岡訳)の許可が必要だが、許可には土地所有者の同意を得た、先住民の土地に対する権利書が必要であるため、土地所有者側が今後、問題提起すると見られている。
“Cape York rare Indigenous ‘library of rock art’ under threat by gold mine, traditional owners say” (ABC News, AU)
http://www.abc.net.au/news/2016-09-28/rare-indigenous-library-of-rock-art-under-threat/7867386

「日刊 世界のウナギニュース」は 平日の(およそ)毎日、研究室スタッフの山岡が世界のウナギニュースを厳選し、海外のものは抄訳をつけてお届けします。

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