水産認証制度に関するシンポジウムを行います

水産資源の持続的利用を目指した認証制度が,日本でも大きく取り上げられつつあります。例えば今年行われるリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックでは,国際的な認証を受けた水産物を利用するよう調達方針が定められています。米国のマクドナルドのフィレオフィッシュは,同じ認証を受けた魚を使用しています(日本は違います)。

現在のところ「国際的な認証制度」とは,実質的にはMSC(海洋管理協議会)とASC(水産養殖協議会)を指しています。これらの認証制度は,資源が持続的に利用されているのか,という問題以外にも,児童労働や不当労働等が行われていないか,当該漁業や養殖業が周囲の環境に影響を与えていないか等,認証にあたって多岐に渡る項目を審査します。

世界の水産物の1割以上がこれらの認証を受けているとも言われますが,2016年2月現在において,日本の漁業・養殖業でMSC認証を受けているのはわずかに京都府機船底曳網漁業連合会のアカガレイ漁と,北海道漁業協同組合連合会のホタテガイ漁のみであり,ASC認証を受けている養殖業は一つもありません。

どのようにしたら,日本は水産資源を持続的に利用していくことができるのでしょうか。先進国を中心に広まりを見せる水産物の認証制度について学ぶことを通じて,水産資源の未来について,ともに考えましょう。

主催:水産学若手の会・日本水産学会関東支部会・日本水産学会シンポジウム企画委員会
日時:2016年3月30日(水) 午後 1:00-5:00 (12:30開場)
場所:東京海洋大学品川キャンパス(品川駅港南口から徒歩10分)(まだ部屋が決まっていませんが,当日分かりやすいように掲示します)
参加資格:なし(水産学会員資格は必要ありません。一般の方の来場は大歓迎です)
参加費:無料(事前申し込み不要)
企画責任者:海部健三(中央大学)・小川健(専修大学)
問合せ先:中央大学法学部海部研究室(ブログの「問い合わせ」を利用して下さい)

講演 ー水産物認証制度とはー
認証制度が必要とする基礎的要件 −国際的に認知されるエコラベルの共通点− 大元鈴子(総合地球環境研究所)
2.海洋管理協議会(MSC)と日本の漁業 鈴木充(MSC日本事務局)
3.養殖管理協議会(ASC)と日本の養殖業 前川聡(WWFジャパン)
4.日本の水産業と認証制度の現状 勝川俊雄(東京海洋大学)

パネルディスカッション ー日本の認証制度の課題ー
秋山 貴彦(パルシステム生活協同組合連合会)
岩尾 敦志(京都府農林水産技術センター 海洋センター)
村上春二(Ocean Outcomes)
山本 泰幸(イオントップバリュ株式会社)
若松宏樹(中央水産研究所)

総合討論 ー水産資源の持続的利用と水産物認証制度ー

H28水産学会認証シンポチラシ確定版1

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