Forbes Japan事実誤認記事の顛末

Forbes Japan事実誤認記事の顛末

中央大学 海部健三

2018年3月18日、M.I.氏が Forbes Japanに『「土用の丑の日」の影に潜むブラックウナギ問題』を公開しました。この記事に看過しがたい事実誤認が複数含まれていたため、筆者(海部)は3月20日、Forbes Japan編集部に対し、内容の確認および対処について、問い合わせフォームより質問を送りました。質問の内容は、過去の記事に記してあります。

4月17日、編集部より、以下の回答をいただきました(URLを除く下線部は筆者(海部)が修正)。

海部さま
お世話になります。
記事の件でご連絡いたします。
筆者M.I.氏から海部氏の質問に対する解説をうかがい、そのうえで必要と思われる点は一部記事を訂正・追記しました。
以下に反映しております。
https://forbesjapan.com/articles/detail/20146
改めまして、この度はご意見ありがとうございました。

今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

質問を受けて記事を訂正・追記したということは、M.I.氏およびForbes Japanは、筆者(海部)が指摘した事実誤認について、一部でも認めたということになります。メディアが自らの記事に誤りを認めた場合、訂正記事を公開するのが通常の対応と思われますが、しかし、I.M.氏およびForbes Japanは、当該記事の誤っている部分を、事実に反しないように訂正・追記してしまいました。なお、修正後も記事の公開日は初出の3月18日11:00のままで、記事が訂正・追記されたことは、現在(2018年4月19日13:00)のところ、示されていません。

現在の記事は、3月20日以降に大幅な訂正・追記が行われたものであるにも関わらず、3月18日に公開したと記され、修正履歴も、訂正・追記が行われた事実も示されていません。実際とは異なる公開日を記すことは、虚偽に相当するのではないでしょうか。もしも、「記事の大枠は3月18日に発表したものであり、訂正・追記は軽微であるから、公開日を変更したり、修正履歴を開示する必要はない」と考えているとすれば、M.I.氏およびForbes Japanは、執筆者およびメディアとして、重大な倫理的欠陥を抱えていると言わざるを得ません。今回の訂正・追記は決して、誤字脱字の修正のような、「軽微」なものではありません。記事の結論を導くための基礎となる数値データに決定的な事実誤認があり、それらに対して訂正・追記が行われたのです* ***

修正履歴を残さずに、元の記事の訂正・追記を行ったことについて、筆者(海部)はM.I.氏とForbes Japanに抗議しました。M.I.氏からは、以下のような回答をいただきました。

フォーブス編集部の対応の仕方はフォーブス編集部が決定します、私ではありません**。 私から編集部には4月1日に海部さんのご質問5点に対する一つ一つの回答、解説、訂正、出典を提出しています。 編集部が対応を判断したものです。私の意見ではありません。

M.I.氏は「Official Columnist」として、Forbes Japanに署名を載せた記事(コラム)を公開しています。そのような立場にあるM.I.氏は、自身の書いた記事に一切の責任を追うべきです。自身の書いた記事の誤りをForbes Japanの読者に伝えずに、その決定を『私の意見ではありません』とするM.I.氏は、執筆者としての責任を完全に放棄しています。

現在、政治は森友学園に関係する公文書改ざんの問題で大きく揺れています。今回のForbes Japanのウナギ記事の問題と公文書改ざん問題は、文書製作者と管理者が、都合の悪い文章を、修正履歴を開示せずに修正したという点で共通しています。公文書を扱う公務員や政治家だけでなく、情報を伝えるメディア、文章を執筆する人間の倫理が、強く問われます。

<注釈>
* 残念ながら、元の記事を保存していなかったため、訂正・追記内容の比較はできません。まさか、このような対応がなされるとは、想像もできませんでした。我ながら、甘い対応であったことを反省しています。当該記事(元の記事)の事実誤認の具体的な内容については、当ブログの過去の記事をご覧ください。
** 原文ママ。
*** 以下のリンクから元の記事が見られます。現在の記事と比較してください(公開後、2018年4月19日13:37に追記)。リンク先右上の「人気記事」の「もっと見る」をクリックし、移動先で『「土用の丑の日」の影に潜むブラックウナギ問題』を探してください。
元の記事
修正後の記事

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