1千万€相当のシラスウナギ密輸人17人逮捕(EU, 2017年3月10日)

ギリシャとスペインの当局が、欧州警察機関と欧州警察機関の支援により、EUから中国へ10t以上のウナギを密輸した疑いがもたれている国際犯罪組織を解体した。

ギリシャとスペインでの強制捜索により17人が逮捕された。また、2百万相当のウナギ2t、データ記憶装置、書類、高級車、現金100万€、ゴールドバーが押収された。今季だけでEUから中国へ1千万€相当のウナギ10tが密輸されたと考えられている。

Karmenu Vella環境、海事・漁業総局長からのコメント:
Lake作戦は、異なるEU加盟国から熱心な現地調査人が協働すれば野生生物の違法取引に対して大きな結果を残せることを示している。野生生物の違法取引に対するEUアクションプランでは協力のための強固な基盤が定めらている。今回のケースでは、ウナギはヨーロッパでは絶滅危惧種とされている。違法な漁業や取引は生残の直接的な脅威になる。我々が生物多様性の保全を考慮しているだけでなく、実際に行動できるという強いメッセージを発信した人々を心から祝福したい。

Rob Wainwright欧州警察機関機関長からのコメント:
今回の任務は、EU加盟国が、国境を越えた組織的な犯罪の対処を成功させる上で、欧州警察機関の支援の恩恵をどれほど受けられるかを示すまた一つ重要な例となった。欧州警察機関加盟国の努力と決断力に敬意を表したい。魚が合法な市場に出回れば、企業が不正な書類を利用してギリシャへ輸送するだろう。ウナギは最終的に「鮮魚」としてアジアへ輸出されていたと思われる。

Abaiaと呼ばれる任務は、フランス、ポルトガル、スペイン、イギリスの連携によるLake作戦の結果に直接つながっている。Lake作戦は、野生生物の違法取引に対するEUアクションプラン(”European Union Action Plan against wildlife trafficking)の枠組において欧州警察機関により2015年に開始された。
AbaiaはEUにおける絶滅危惧種の違法取引に関して、近年最も重要な活動とされている。

ヨーロッパウナギ(Anguilla anguilla)の個体群は著しく減少している。国際海洋探査委員会(International Council for Exploration of the Seas , ICES)によると、2011年までにシラスウナギの加入レベル(毎年生まれるウナギの仔魚の数)は1980年代の1%にしかならない。シラスウナギの加入は、統計的には2011年から大きく増加しているが、生活史の全ての成長段階でのウナギの数は非常に少ないままである。

EUの規則により、EU加盟国は、ウナギの40%が河川から産卵場所である海洋へ降河できるように取組を行わなければならない。ヨーロッパウナギは、CITES(Convention on International Trade in Endangered Species、ワシントン条約)の附属書IIにも記載されている。EU加盟国の専門家からなる科学審査グループ(Scientific Review Group)の年次提案により、ヨーロパウナギのEUへの国際的な持ち出しや持ち込みは禁止されている。

元の記事
https://www.europol.europa.eu/newsroom/news/17-arrested-for-smuggling-glass-eels-worth-eur-10-million

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